――初めての体験で思い出に残った工事のようですね
天皇陛下が行幸される場所でしたのでとにかく緊張感のある現場でした。公園内には、10数社の施工業者がいましたが、行政主導で連絡協議会が設置されたことでも、その想いがひしひしと伝わってくる。我々は期待に応えることが精一杯。それでも同業他社と良い意味での競争心が芽生えていたことが印象に残っています。
――海岸での施工は苦労も多かったと思うのですが
施工期間中はずうーっと潮との戦いでした。施工したのは、傷んでいる階段式親水護岸の段鼻部分を無収縮グラウトで構築するのが主な作業です。延長20bを1スパンに幅15a、高さ40aを型枠で施工するんですが、全て手作業。型枠からグラウトが流れると海を汚しますので、スプレー式の固化剤を使って漏れを防ぎました。潮見の作業なので毎日工程が違ってくる。日々、作業員と話し合って、作業時間を調整しなければならず、早朝や夜になることも。工期内に余裕を持って終えることができてホッとしています。

――独自に提案されたことを教えてください
海を汚さないための工夫は勿論、作業で使った水は産廃に出しました。階段の踏み込み部分を目粗しして、歩行者が滑らない気遣いも行っています。この公園には外国人観光客もしょっちゅう訪れていました。「立入禁止」の看板を、英語、中国語、韓国語で表記し、注意を促しています。
――いつも心がけていることや今後の抱負をお願いします
基本的にはお客さん(発注者)の気持ちになって仕事をすることでしょうか。前回の受賞(平成21年度・水俣港港湾公害防止対策)がありますし、年齢的にも指導的な立場になっていることを自覚しています。ただ若い人たちには頭ごなしではダメだと感じているところです。今は材料や機械の性能も良いですし、私の若い頃はパソコンなんて無かった時代。若い人を大切に育てながら、新しい創造的な仕事に取り組んでいきたいですね。そんな現場って思い出に残るし、出来た後も愛着がわくじゃないですか。
【工事概要】
▽場所/水俣市汐見町地内▽概要/親水護岸改修・施工延長240b、石張工457平方b▽着工/平成25年2月末▽竣工/25年8月30日。
<14年9月4日号3面>