熊本県測量設計コンサルタンツ協会 佐藤祐治専務理事
測量設計業の重要性再確認



 熊本県測量設計コンサルタント協会の平成28年度通常総会で専務理事に選任された。未曾有の災害に対応し協会の果たす役割はかつてないほど大きい。地場技術者集団の存在感を示す手腕に期待がかかる。




〈協会は4月14日の熊本地震発生の翌日から大規模災害時の支援活動に基づき応急復旧に取り組んだ。地震後の業界の対応を目の当たりにし、測量設計業の重要性を改めて再確認する〉
 ここまでこの業界が災害に対し深く関わっているとは思っていませんでした。認識不足を深く痛感しています。今は業界の認知度を高め、技術者の社会的地位向上を図るという協会の目標に少しでも役に立ちたい気持ちです。
〈昭和54年、熊本県庁に入庁し、これまで事務畑を歩いてきた。土木部監理課などにもいて、業界を全く知らないわけではない。数年前には総務部や知事公室の危機管理部門を担当した。そこで学んだのはインフラ整備の重要性。急峻な地形に囲まれ、災害に脆弱な日本の姿をいやと言うほど見せつけられた。災害に強い社会はインフラが支えていることを訴える〉
 危機管理で先ず大切なことは逃げることですが、ハードで助かることもありますし、時間を稼ぐこともできます。今回の地震でも過去の災害等で耐震基準が引き上げられていたことにより、助かったことも多かったのではないでしょうか。それは建物ばかりではなく、道路、橋梁などにも言えることかと。
〈地震直後で大変な時期を迎えながらも協会が担う本質を鋭くチェックする。その中でも生命線となるのが技術。地域の専門家集団としてハイレベルなプロジェクトを進めるためには必要不可欠だ。その人材を育成していくことが今、課題となっている〉
 技術は陳腐化するので最先端の情報を常に提供できるよう研修活動に力を入れなければなりません。一方でこの業界のやり甲斐やカッコ良さを知ってもらうことが大事です。若者の入職、女性の雇用を業界全体で考えるべきでしょう。メディアにも訴え、世の中に蔓延るイメージを一新することがカギだと考えます。


【メモ】
熊本地震支援活動
 4月15日に協会災害対策本部を設置。その後、緊急理事会、災害対策本部会議を毎日開催。4月14日〜5月13日までの約1カ月で熊本県各振興局、市町村に対し、70社の会員企業から延べ8536人を派遣しているという。 
2016.05.30掲載

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