八代港(外港地区)航路(−14m)浚渫工事 グラブ浚渫船
東亜・あおみJV八代港作業所の目堅雅也所長
快適な船内で高精度の品質管理実現

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 建設業28業種のうち我々にあまり馴染みがないのがしゅんせつ工事業。特に港湾工事では、巨大なグラブ浚渫船がハードな自然環境の中で黙々と作業を続けており、その実態を計り知ることは容易ではない。八代港外港地区でマイナス14bの浚渫工事を行っている船に潜入してみた。




〈昨年、9月から着工した八代港の直線部東側2工区工事に取り組んでいるのは、東亜・あおみJV。3月24日までの工期で進めており、作業も大詰め。外港護岸に停泊しているグラブ浚渫船から伝わってくるのは、建設機械というより海と戦っている巨大な塊。精悍な男たちの躍動感が頭をよぎる〉
 船に乗り込んでいるのは平川和秀船長以下、8人です。彼らは日出から日没まで作業を続け、1週間に1回、陸に上がります。船内には個室もありますし、風呂や洗面所、食堂、休憩室が完備しており、日常と変わりない生活が送ることができます。専属のコックさんもいて、とても美味しい料理が頂けるんですよ。
〈想像を遙かに超える快適な船内では、作業員たちの談笑がこだまする。工事船で20年、このうち浚渫船で10年の経験を持つという平川船長は、半年間を共にする仲間のことをいつも気遣っている〉
 我々の仕事は天候に左右されます。入念な打合せや声を掛け合って常に心がけているのは安全第一。施工管理、体調管理など難しい面もありますが、コミュニケーションを取りながら、万全を尽くしています。職場の雰囲気というものは、作業に影響するもので、良い和があれば良い仕事につながります。
〈施工は、オペレーターとシンクロした船内で一括管理。東亜建設工業が自社開発した「法面浚渫ワイドグラブバケット」で効率的な作業を行っている。出来高も常時ソナーで計測するなど、品質管理への配慮は申し分がない〉
 このバッケトは、一度に23〜25立方bを高精度に掘ることが出来ます。法面を掘る時、従来では階段状に行っていたものを法面の勾配に併せてバケットを傾斜させています。このため掘削時の余掘り量を低減でき、工期短縮やコスト縮減を計ることが出来ました。

【メモ】
法面浚渫ワイドグラブバケット 東亜建設工業が平成24年に開発した新工法。バケットの吊り位置を中心線上から離すことで傾斜を確保。開閉用ワイヤーは常に垂直に保持でき、バケットの開閉は水平時と同じ。傾斜角度は、水平から1対3までの5パターンに対応している。
2014.02.27掲載

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