白鷺電気工業(株) 麦田元幸常務取締役
安全に対するコストは惜しまない


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 建災防が建設労働者の安全衛生マネジメントシステムに適合した事業場として認める「コスモス(COHSMS)」に、熊本県内から初めて白鷺電気工業梶i沼田吉輝社長)が認定された。このほど認定証が交付され、全国38社(56件)に仲間入り。災害ゼロ≠ヨの一貫した姿勢が形となって示された格好だ。




〈同社の幹部らがいつも集まる会議室の正面には、企業理念ともいえる「存続6カ条」が大きく掲げてある。その第一は安全。作業環境の整備を図り、災害ゼロの明るい職場を目指す経営者の想いが伝わる。それでも建設産業は危険といつも隣り合わせ。順風満帆にやってこられたわけではない〉
 わが社は創業63年になります。今の社長の代になったのは平成4年から。その間、様々なトラブル、事故に見舞われ、特に平成17年には死亡災害が発生してしまいました。社長の無念さ、悲しみ、悔しさ、虚しさ…。そんな気持ちは私たちにも当然伝わります。「二度とあってはならない」。社長の言葉とともに我々の取り組みがスタートしました。
〈災害後、取引会社の工場を見学した際、沼田社長が目にしたのは「オーサス(OHSAS)」の掲示だった。この規格は、労働安全衛生マネジメントの分野では国際的に合意されているシステム。建設業には独自の規格としてコスモスがあることを知ったのはこの時だったという〉
 それまで色々なシステムを物色していました。そんな時、社長がコスモスに出会った。トップの目標に対して、従業員をはじめ我々がどれだけ同じ想いで向かっていけるのか。もちろんシステム取得には経費がかかりますが、安全に対する人、設備、モノといったコストは惜しまないのがわが社の方針です。そんな想いがコスモス認定に滲み出ている。そんな気がします。
〈同社では毎年8月、「安全総点検」と銘打った全社あげての安全に対する研修会を行っている。通常は半日〜1日かけ、年10回程の研修会を実施。現場ではこうした安全教育を最低2回受けていないと入れない。作業員証を発行し、常に現場代理人がチェックしている〉
 コスモス認定取得のために厳しくした面も否めません。ただ、これからは現場で使いやすいシステムに作り替えていく必要性を感じています。コスモスが現場でどう生かされているかの確認・検証もこれからです。我々が同じベクトルでシステムをより高く向上させていくことが認定取得の意義かと。一人ひとりが安全のことを考えてくれたら良いと思っています。

【メモ】
コスモス(COHSMS)認定
 建災防または評価認定機関が建設事業場からの申込により、労働安全衛生マネジメントシステムの構築・実施状況を調査・評価し認定する。ILO(国際労働機関)が推奨する業種別ガイドラインとして国際的にも明確な位置づけを持つ。有効期間は3年。  
2011.3.10掲載

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