(株)鍬田電設 鍬田敏夫社長
介護事業で地域に恩返し


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 (株)鍬田電設(鍬田敏夫代表取締役、天草市有明町赤崎2007ノ3)は4月1日から本社隣接地に認知症者を対象とした「グループホームさざなみ」を開所した。創業以来40数年間、会社を支えてもらった地域への恩返しとの思いから介護事業に参入。鍬田社長の新たな挑戦が始まった。



〈会社のボランティア活動以外で、何か地域に貢献できる策がないか模索していた鍬田社長は、昨年、天草市が認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)の事業者を募集していたことを知り、一念発起して応募した〉
 重度の認知症を患った父親を家族全員で介護した経験があり、介護の大変さは身を持って体感していた。しかしながら、介護施設を運営することは全く別物。何度も知人の介護施設へ足を運び、介護に関するノウハウを一から学んだ。
〈事業者選定にあたり、天草市は応募者にプレゼンテーションを指示。事業に対する熱意や具体的な提案内容などを審査した〉
 施設の運営計画として利用者の目線に立った基本理念や基本方針を打ち出したほか、施設での介護予防教室の開催、施設を子ども達の学童保育の場として提供、家庭菜園・地場の食材を活用した家庭料理の提供―など独自の提案を行った。
〈施設開所にあたり、建設費や運転資金、準備資金の一部が助成された。従業員は、専門の資格が必要となるため、ハローワークを訪ねるなど奔走した〉
 介護事業の実績がなく法人化できなかったため、会社内部に新たに介護事業部を立ち上げることにした。介護事業部に施設長やケアマネージャー、介護士等を新たに雇い入れたことで、雇用の場の確保にもつながった。
 今後はグループホームでの実績を積み重ね、介護事業部を会社から切り離して法人化し、将来は施設を増設してデイケアサービス事業への展開も視野に入れている。


【メモ】
認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)
 1人で日常生活を送ることが困難な認知症等の要介護者が、専門の介護スタッフ等の援助を受けながら、一つの共同生活住居(1ユニット5人〜9人)で生活する社会的介護形態のこと。
2010.04.12掲載

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