小規模構造物の地盤改良に天然木を利用
「環境パイル工法」
九州初! 地場産の木材を有効利用


高原木材(有) 中村大樹常務・木水誠営業部員

 建築物の地盤補強材で使用する杭打ちには、コンクリートや鉄鋼を使用するのが一般的。高原木材(本社・八代市新港町、石松勇志社長)は、この補強材に木材を使用する『環境パイル工法』というユニークな新工法を採用し、環境にやさしい建築物の施工を手がけている。このほど熊本市会富町の現地で工法を実演。九州で初めて施工性やコスト縮減にもつながる新工法を見せつけた。
 建築物の基礎には、表層改良、柱状改良、鋼管杭―などコンクリートや鉄鋼を使用して基礎を固めるのがこれまでの工法。環境パイル工法は木材を使用することにより環境に対する負荷を大幅に低減すると共に、従来工法と同じレベルの支持力、耐久性を持つのが最大の特長だ。
 その秘密は、部材となる木材に加圧式防腐処理する特殊な技術。もちろん耐久性を確保しながらも、薬剤流出などによる汚染の被害は全くない。性能保証については、AQ認証、エコマーク認証など優良木材建材等認証を取得していることでも一目瞭然。日本工業規格に準拠した耐久試験では、60年程度は問題ないことも確認されている。
 このほど開かれた見学会の現場は、エーワン開発(本社・熊本市八分字町)が手がける住宅地。専用機械に木材を装填し、スピーディーな施工で地中に圧入した。エーワン開発の西野拙也社長は「ここの現場は軟弱層なので摩擦長による支持力が得られる本工法を採用した。騒音、振動も少なく施工性にびっくりしている」と話す。
 これまで東北・関東を中心に約1000棟の施工実績があり、木造だけではなく鉄骨造、鉄筋コンクリートにも適用できるという。中村常務と木水営業部員は「今や環境を考えることは企業として当然のこと。間伐材や地場産材を有効利用できるため、建築物の基礎材として定着できるよう普及促進を図っていきたい」と意欲的だ。
2012.2.13掲載

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