無機質コンクリート含浸保護材
 「エバープロテクト」驚異の補修効果
環境に優しく施工が簡単 コスト縮減に貢献


(株)ミサト技建 吉開美秋社長

(株)ミサト技建・吉開美秋社長 「コンクリート構造物の高齢化到来」。業界ではこの対応策として数々の補修材や技術を開発し維持管理を実現している。潟~サト技建(本社・熊本市)が取り扱う無機質コンクリート含浸保護材「エバープロテクト」は、NEXCOと共同で開発され、驚異の補修効果を生みだしている。このほど国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録された。
 わが国では今後、膨大なコンクリート構造物が50〜60年を迎え、維持管理時代に突入する。道路橋だけでも50年以上経過するものは現在の数lから20年後には約50lと大幅にアップする。一般に約14万橋(15b以上)と言われる国内の点検対象橋梁が一度に維持管理を迎える時期も時間の問題だ。
 こうした状況は、熊本県内も例外ではない。既に熊本県は、1153橋(15b以上)の管理橋を対象に5カ年で長寿命化計画の策定を打ち出したほか、市町村も7カ年内にも策定に動き出す。それ以降、計画のない架替・維持修繕は補助が受けられなくなるからだ。
ライフサイクルコスト比較図 コンクリート構造物の維持管理への対応が慌ただしくなる中、満を持して登場したのがエバープロテクト。橋梁・高架橋をはじめ建築物の長寿命化、耐久性向上といったニーズにマッチしたことが需要を掘り起こす。秘密は構造物表層部の空隙にミクロなコンクリートを再構築するメカニズム。散布・塗布するだけで反応ゲルが浸透し、劣化因子の侵入・拡散を抑制する。
 「無機質で環境にも優しく、施工性が簡単。コスト縮減にも大きく貢献する」と話すのは代理店契約を結ぶ潟~サト技建の吉開美秋社長。同社では、コンクリート診断士(1人)をはじめ、コンクリート配筋探査技術者(2人)、橋梁点検技術者(2人)―などの豊富な技術スタッフが正確な診断の基、的確な補修を行っているという。
緒方政昭統括部長 これまで熊本土木、阿蘇・菊池・宇城・球磨・天草の各振興局や阿蘇市、天草市での施工実績を持つ。単価(1平方b)は一般の保護塗装工が8000円程度に対し、4000円と半分。緒方政昭統括部長は「塗装に比べ無色透明なので、施工後も追跡調査といったモニタリングができる」とメリットを説明する。
 社会資本ストックは、建設から維持管理へと大きな転換期を迎えている。構造物の資産価値低下を防ぐためには、長寿命化を施すことが重要。適正なメンテナンスがその役割を担っている。 
2008.06.26掲載

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