法面・擁壁、護岸などに強固な土構造物で緑化
「ジオファイバー工法」 コストを抑え、緑化、強度を両立
日特建設(株)熊本営業所 山下一臣所長

日特建設(株)熊本営業所・山下一臣所長 「法面、擁壁、河川護岸のコンクリート構造物に替わって緑の空間を」。近年の公共工事では環境や景観に配慮して、コンクリート構造物は敬遠されがち。しかし、コンクリートと同等の強度を持ち、同等の費用でまかなえる地球に優しい土木材料はなかなか見当たらない。連続繊維複合補強土(以下ジオファイバー)技術によるジオファイバー工法が地球に優しい、時代にマッチした工法として熊本県内の発注機関から採用され始めている。
 この工法の最大のメリットは、『強度をもった土構造物』ということ。このため安全を確保しながら表面に緑の絨毯をしきつめることができる。ジオファイバーで施工された構造物の外観は、一般の緑化工法のそれと見た目は全く同じ。オーソドックスな設計フローによれば、コンクリート吹付法枠(断面200×200あるいは300×300)やブロック積擁壁になるところに植物だけが生えているので「これで大丈夫なの」と首をかしげる技術者が多い。
 認知度がまだまだ低く、コンクリートを『硬くて強いもの』というならば、ジオファイバーは『やわらかくて強いもの』といえよう。その秘密は、砂質土にポリエステル製の糸状連続繊維を絡めながら吹付けるユニークな施工法。その結果、斜面崩壊防止のために施工される法面保護タイプでコンクリート吹付法枠(前同)と同等の抑止効果が得られる。擁壁タイプでも標準的に採用されるブロック積擁壁の代替品としての施工も可能という。
 施工後は、砂質土と連続繊維の絡み合いに植物の根が加わるので、強度はさらにアップする。緑が濃くなればなるほど安全性は向上し、なおかつ大気中の二酸化炭素はどんどん減少するという地球に優しい工法となっている。
 気になるのはコストだが、標準的な法面保護タイプで1平方b当たり1万3000円程度、コンクリート吹付法枠が1平方b当たり1万3000円〜1万4000円といわれている。ほぼ同じ費用で緑化プラス同等の効果が得られるほか、大気中の二酸化炭素を減らす効果を考えればコスト的なメリットは大きいだろう。
 工法事務局で販売元の日特建設褐F本営業所の山下一臣所長は「これまで文化財の修復や景観を重視した災害復旧での実績が多い。一般の法面・擁壁・護岸などにも強度を保ちながら幅広く対応できるので、無機質なコンクリートに変わる工法として普及につなげたい」と発注機関への売り込みに意欲的だ。
 昨年度は、国土交通省熊本河川国道事務所の「熊本208号寺田地区改良2期工事」(玉名市)、熊本県の「滝単県急傾斜地崩壊対策工事」(西原村)で法面形状タイプを施工。今年度も熊本県の「国道324号地域連携推進改築(米の山土工法面)工事」(上天草市)で施工中。コストを抑え、強度、緑化が両立できる工法として着々と実績を重ねている。 
2006.07.17掲載

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