国土交通省菊池川河川事務所
所長 上水樽昌幸氏
魅力ある業界、より良い現場づくりへ
国土交通省菊池川河川事務所の所長に4月、上水樽昌幸氏が就任した。20年ほど前の係長時代、住民参加による河川改修に携わり、「まちを元気にする川づくり」を実感する。地域建設業者に対しては、「地域の守り手として大事なパートナーであり、業界の皆様と意見を交わし魅力ある業界づくり、より良い現場づくりに努めたい」と力を込める。
――入省後の心に残っている出来事は
2004年に大分県日田市で河川改修を行うにあたり、地域のニーズをよりきめ細やかに反映できたことが印象に残っている。住民参加による川づくりとして、地域の方々が描く川への思いを工事の受注者に伝え、思いを共有し、川づくりを実施した。
商店街が完成記念イベントを企画され、一部は「千年あかり」として20年経過した今も続いている。杉山を侵食する竹を伐採し竹灯籠にして川に並べる催しで、次第に沢山の人が集まるお祭りになっていった。川づくりが祭りを呼び地域おこしに繋がっていく「まちを元気にする川づくり」を実感した。
――菊池川流域の印象は
日本遺産「米作り、二千年にわたる大地の記憶」に象徴されるように、
川沿いに水田が広がり、スイカやメロンなど国内有数の生産地にもなっている。菊池川の恩恵を受け地域が発展してきた証だろう。そう考えると凄く感慨深い。
赴任早々、山鹿温泉で汗を流し、とてもいい泉質だった。流域には数多くの温泉地があると伺っているので、農産物や温泉など自然の恵みを享受しながら、流域を楽しみたい。
――主要事業の取り組みは
下流部では築堤や防災ステーション整備、中流部では菰田橋架け替えや川幅を広げるための河川掘削、上流側では堤防強化などを進めている。並行して河川の堆積土砂撤去に取り組んでいる。
ハード対策はもちろんだが、想定を超える大雨への備えも重要だ。そこで、流域治水の取り組みの一環として昨年度、住民や関係自治体等による「防災まち歩き」を山鹿市と玉名市で開催した。水害リスクを「自分事」と捉え、主体的に行動していただくもの。引き続き市町と連携して取り組む。
――地域建設業者へのメッセージを
河川の整備・維持はもとより、水害が頻発化、激甚化する中で災害対応を担っていただいていることに感謝したい。熊本地震の際は人吉出張所に勤務し、地震直後の夜中にもかかわらず対応されている姿を見て、地域建設業者の大切さを痛感した。
地域の守り手としての大事なパートナーであり、担い手不足や働き方改革、生産性向上など喫緊の課題に、業界の皆様と意見交換させていただきながら、魅力ある業界づくり、より良い現場づくりに努めたい。
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【略歴】上水樽昌幸(かみみずたる・まさゆき)。鹿児島県立鹿屋工業高等学校卒業後、1992(平成4)年に建設省入省。九州地方整備局宮崎河川国道事務所調査第一課課長、九州地方整備局河川部河川工事課課長補佐など経て、2023(令和5)年から国土交通省水管理・国土保全局防災課災害査定官を務めた。鹿児島県出身。1972(昭和47)年生まれ。 |