熊本県建築士事務所協会
会長 田中之博氏
若者が魅力的と思える業界へ



 5月の役員改選で10代目の会長に田中之博氏(田中建築設計事務所)が就任した。副会長として5期10年にわたり2人の会長を支えてきた手腕を買われての登板となった。「先輩方から教わり経験してきたことを、次の世代に伝えたい。若手からの意見も積極的に取り入れるつもりだ」と力を込める。田中会長に抱負や協会運営などを聞いた。




――抱負や決意を
 就任後、4カ月になるが、責任の重さを実感している。まずは歴代会長をはじめ先輩方が築いてこられた歴史や実績を尊重し、継承していきたい。同時に、時代の流れで変化している会員の新たなニーズにも対応する必要があると認識している。
 継続に関して言えば、九州・沖縄ブロック協議会を通した各県との情報交換や日本建築士事務所協会連合会との連携強化。会議等には執行部役員が直接足を運び、生の情報をリアルタイムで入手し、会員に提供する。中央や各県の現状とか問題点の把握にも繋がっている。

――目指すべき協会づくりについて
全ての会員が、協会員であることのメリットを感じられるようにしたい。事務所の規模や所在地、業務内容なども千差万別で、一概に教科書的なことは言えないが、それぞれの立場を考慮していく。慣例に従うことも重要だが、変えるべき点については意見交換などを踏まえて柔軟に対応し、身近で親しみやすい協会を目指す。

――喫緊の課題は何でしょうか
 会員の増強が一番となる。入会金免除などのキャンペーンも行っているが、会員一人ひとりが未加入者の知り合いに声を掛けるなど、地道で丁寧な活動が必須だ。入会時の手続きなどについても、改善策を検討したい。
 高齢を理由とした廃業に伴う退会も目立つようになった。事業承継のサポートなど、何らかの手段がないか模索している。

――今年度の事業計画を教えて下さい
来年度からの省エネ基準適合化に向けた計算技術者の育成や、希望する会員へのBIMに精通したリーダー派遣などを行う。
 地震による被害を最小限に抑えるため、1981年以前の旧耐震基準による木造住宅だけでなく、2000年基準前の新耐震基準で建てられた木造住宅についても、耐震化助成制度の創設・拡充を県や市町村に働き掛ける。

――会員へのメッセージをお願いします
 協会が設置している各委員会も若返りが進んでいる。様々な活動や親睦会にも積極的に参加されることを願う。顔を突き合わせ、お互いを知れば、次のステップに繋がる。
自身が直面している問題点についても、遠慮なく伝えてほしい。状況に応じて改善に向けた要望活動などを行う。
2024.9.30掲載

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