国土交通省菊池川河川事務所
鶴崎秀樹所長
災害時に地域住民の不安解消

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 国土交通省菊池川河川事務所の所長に4月、鶴ア秀樹氏が就任した。全国の自然災害現場で指揮を執ってきた経験から、初動時の対応について、地域住民の不安を取り除くことを第一優先とし、テックフォースと地元建設業者の存在意義を強調する。




――全国で自然災害が多発する中、国土交通省のテックフォースは被災地支援に取り組まれています
 菊池川に赴任する前の4年間は、九州地整の火山防災対策分析官と水災害予報センター長を務めていた。平成25年の伊豆大島、26年の広島での土砂災害時はテックフォースの隊長として現地に入った。
 まず感じたのは、被災直後は地域の皆さんが不安な状態にあるということ。だから現状と避難のタイミング、危険な地域を正確に伝えなければならない。不安を取り除くのが第一優先だ。
 自治体は被災者への対応にあたるため二次災害防止や施設点検まで手が回らない。国交省は技術者集団なので、専門知識で正確な情報が伝えられる。熊本地震の際には、この役割分担が特にうまくいったのではないか。

――熊本地震では地域建設業者が復旧活動に奔走しました
 自ら被災されている中、24時間体制で対応し、安全安心に繋がった。真の担い手として今後も活躍できるよう後押ししていきたい。
 南海トラフ地震が発生すると、おそらく、近畿から中部、中国、四国、九州まで被害を受け、一定期間は全国からの応援が無い中、九州内で何をすべきか考える必要がある。広域災害は九州地整が団体と協定を結んでおり、他地域から駆け付ける体制を整えている。ただ、被災地に向かう時間を要する。初期段階では特に地域業者の力が重要だ。

――菊池川では九州北部豪雨で浸水被害がありました
 合志川で堰の改築、菊池川中流で川幅を広げる工事、玉名市部で矢板埋設や排水施設などの堤防強化に取り組んでいる。堰は今秋からゲートを設置し、その後、旧堰撤去と橋の撤去・架け替え、下流の堰改築を進める。
 流域の首長や商工会、観光協会、NPOの皆さんと話したが、非常にまとまりがある地域だと感じる。米づくりとか昔から川を中心に生活されているので、川への関心が高く、つきあい方を理解頂いている。4月28日には「菊池川流域二千年の米作り」が日本遺産に認定された。菊池川流域の振興に少しでもお手伝いできればと考えている。
2017.6.1掲載

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