熊本県建設業協会玉名支部  津留克也支部長
年度内にも災害支援体制を構築


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 5月にあった熊本県建設業協会玉名支部の通常総会で新支部長に就任した津留克也氏(津留建設代表取締役社長)。会員数が半減する中、会員増強に向け、公共工事の発注平準化や予算確保など喫緊の課題と、若手技術者の確保や業界のPRなど将来を見据えた施策を模索する。支部の現状と活動方針を聞いた。





――支部が抱える課題とその解決策は
 公共事業費がピーク時の半分以下になり、会員数も平成7年の72社が今は34社だ。会員の減少に歯止めをかけ増強するためには「予算の確保」「発注の平準化」「メリットの拡大」が鍵となるだろう。
 発注量が増えてくるのは秋以降なので、4月から9月までは従業員の半数ほどの仕事しかないのが実情だ。年間を通して仕事があれば、ある程度の利益は確保できる。また、県工事で言えば、総合評価方式の対象外企業にとっては、支部に入会するメリットが少ない。素早い情報提供やスキルアップへの各種講習会など会員メリットを強調したい。
 もちろん、国や県、自治体への要望活動が最も重要だ。今は労務単価が上昇しているが、発注量が少なくなれば企業努力だけでは立ちいかない。事業量を増やすことを強く働きかける。
 支部にとっては青年部の存在意義も大きい。独自の勉強会や献血など以前から活発に活動しており、私が本会の青年部会長時には県内の多くの業者と情報交換できた。横の結びつきが自社の成長にも繋がる。そして将来、支部の中心的存在になってほしい。

――任期中にやり遂げたい事業は
 今年度中にも、大規模災害や家畜伝染病発生時の広域的な支援体制を構築する。支部と県は、県管理の道路・河川について災害情報共有システムで対応できるが、災害が発生した場合、市町村はまず地元の建設業者に支援を要請するため、情報が錯綜し、優先順位や対応が混乱してしまう。
 既に昨年から県、玉名郡市の自治体や各市町建設業団体との協議を始めている。荒尾支部や消防、警察との連携も視野に入れたい。

――先日、魚放流と建機試乗のボランティアを実施されました
 玉名工業高校土木科の生徒40人へのアンケートによると、建設業への就職希望6人のうち県外大手が5人、地元は僅か1人だったそうだ。我々は大卒を採用するのが難しく、高校新卒者や職業訓練校生を雇って育てなければならない。一人前になるのに最低5年は必要だが、離職者も多いため育てるのも大変だ。
 そういう意味でも、地元の工業高校生には測量体験イベントをはじめ、インターンシップで社風を知ってもらったり、幼い子どもたちには、魚放流や建機試乗などを通して、建設業に興味を持ってもらい、建設業を志す若者を増やしたい。
 地域住民には、ボランティアやパネル展などで「普段は街の基盤を創り、災害時には真っ先に道を拓く大切な職業」ということを訴えていく。
2014.8.7掲載

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