就任インタビュー
熊本県コンクリート診断士会 田一幸氏
 構造物診断のシンクタンクに


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 コンクリート構造物等の調査・診断業務を、県内で初めて第三者的な立場で支援する「熊本県コンクリート診断士会」(会長・田一幸・旭技研コンサルタント代表)がこのほど設立。コンクリートの専門家21人を束ねる田会長に設立の経緯、目的、今後の事業展開を聞いた。




――専門性のある特殊な資格者集団と認識するが
 コンクリート診断士(日本コンクリート工学会認定)の有資格者は把握する限り、県内には40人程度おり、主に建設業関係で働いている。これまでコンクリート構造物等を調査・診断する団体が県内には存在しなかった。連携・強化の場を設けることは有意義なことであり、活躍の場、認知される場があると今後の励みにもなる。
――専門技術者育成の立場からすると幅広い活動となりそうですが
 主に診断士の知識向上や継続教育を行っていくつもりだ。技術の共有と環境保全を目的とした新技術の研究・開発、熟練技術の継承も進める。来年度以降になるが、新規資格取得者に対しての支援も考えている。診断士試験の合格率は15%前後と難関で、技術者の養成は急務。資格取得に興味がある方は声を掛けて欲しい。
 専門家として各機関からの質問・疑問などにも応えていく。今年度は診断士が講師を務め、関連団体を対象にした講習会を開催する計画だ。自ら講師となることで自身の技術力向上、探求心に繋がると思っている。
――土木・建築の主要部材となるコンクリートに特化した技術者の育成は業界の課題でもあります。タイムリーな集まりかと
 会員は、生コン会社、建設コンサルタント、施工会社などに従事する個人で構成している。このためわずかな年会費が唯一の活動資金となっており、現時点では大規模な研修や講習会が開けない状況。今後、一人でも多く入会者が増えるよう呼びかけるほか、発展次第では賛助会員等の入会も募っていきたい。
 社会資本整備は、新規構造物の構築から維持管理時代へ移行している。第三者的な立場から構造物の診断業務を支援し、地域のシンクタンクと位置づけられる組織を目指している。そのためにはスピーディな処置や対策が取れる組織の運営が今後の課題となってくるだろう。
2012.07.19掲載

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