建設業経営者セミナーで 「企業間連携」 をテーマに講演した
監査法人トーマツ主席コンサルタント 橋本裕氏


 このほど県内5会場で開かれた県産連主催による建設業経営者セミナーで、 「企業間連携」 をテーマに講演した監査法人トーマツの橋本裕氏。 セミナーでは、 一貫して自社の現状を的確かつ客観的に把握することを訴えた。 「生き残るためには・・・」。 橋本氏の考えを聞いてみた。


 −企業間連携の今をお聞かせ下さい
 率直に言うと、 会社同士が手を取り合っては終わっている、 というのが現状のようだ。 日本の企業、 特に中小企業の場合、 議事録を作成する習慣が無いことに問題があるような気がする。 当初から意志の疎通ができていないため、 責任分担で大きなトラブルとなっている。 コミュニケーションをしっかり取っていないことも課題の一つ。 建設業の場合、 格付けがネックとなっている場合が多い。 効果が上がるならば格付けなど無視できるはず。

 −連携による企業間相互のメリットは

 ノウハウの補完と人的なネットワークの形成ができるのが最大の利点。 自社で開発した良い技術を現場で活かそうにも、 会社規模が小さいため実績もなく、 施主や発注者、 元請けなどを説得できない。 連携することで 「あそこならうちが説得しますよ」 と。 1社じゃできないことが連携により実現することで、 相互の得意分野が生きることにつながる。

 −企業体質を改善することが先決と

 ムリ、 ムダを省くことを最優先させなければならない。 再構築することで銀行や発注者の了解を取りつけることができる。 外部が認めるような結果を出すこと。 次を見据えての選択が必要となってくる。

 −企業としての社会的な立場もあると思うが
 建設業は今、 人で言えば止血の状態。 回復するか、 悪化するか、 苦しい判断に迫られている。 ただ、 体力のある内に解散することも視野に入れては。 雇用責任を考えるならば、 あがいて負債まで抱え、 従業員に給料や退職金も払えない状態をつくることは絶対に避けるべき。 特に管理職にある人ならば借金をつくった会社にいたというだけで管理能力を疑われ、 次の仕事に就くこともままならない。

 −企業間連携を成功させる秘訣は

 欲しい成果を決め合うことが大切だ。 仕切りをすることで、 責任の所在を明確にし、 動くためのルールを決める。 常に客観的な立場で見てくれる第三者、 例えば銀行、 コンサルタントなどを間に立たせることが必要。 そこで自社の体力度を開示し合う。 お互いが納得しないとうまく行かないのは当たり前。

2005.03.03掲載

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