落語家   柳亭 金車 師匠


 このほど開催された中間法人熊本県電設業協会の安全大会で、落語家の柳亭金車 (りゅうてい・きんしゃ) 師匠の講演が行われた。金車師匠は、全国津々浦々で開かれている各業界の安全大会で「安全落語」と題し、 400回以上の講演を行ってきた。建設現場をよく知る業界外の第3者の立場から、現場の安全管理・意識に対する意見を聞いてみた。


−「安全落語」をするきっかけとなったのは
今から25、 6年前、建設業に携わっていた高校時代の友人から突然、「安全大会で落語をやってくれないか」と頼まれたのが始まり。それまで建設関連のことは何も知らなかったが、今では各業種の方と知り合い交流を深めている。
−建設に関する専門用語もかなりご存知ですね
 自費で全国の建設会社や工事現場などに行き、生の現場を見て体験して覚えた。これまで足を運んだ現場はおよそ1000カ所。専門的なことは難しく、覚えるのに苦労する。
−熊本の電設業界のイメージは
 県民性でしょうか、真面目な人が多いように感じる。電設業に限らず、親切な方が多いのは建設業界全般に言えること。いろんなところに行ったが、今回、熊本を訪れてここまで親切にしてもらったのは空前絶後の経験。
−現場の安全意識について感じていることは
 送電線の鉄塔など、高い所での作業は危険と隣り合わせ。数人で作業をする場合にはお互い信頼がないと出来ないことだろう。高所などでは、地上に下りてくる直前に事故が起きると聞いている。注意力や緊張感が欠けた時に油断するのだろう。
−労働災害をなくしていくには
 「融和」が大切。特に、元請と下請の関係は重要だ。元請が威張っているような現場は事故が起きる。下請けもルールを守ることを徹底する。現場を管理する者は、人の心も管理することが大切ではないだろうか。

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 柳亭金車(りゅうてい・きんしゃ)
落語家。昭和16年東京生まれ。同53年に真打昇進。「安全落語」のテーマで全国建設関連団体において講師をつとめる。キックボクシング・リングアナウンサーや日本ハムファイターズの私設応援団長−など、活動は多岐にわたる。
2004.10.28掲載

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