平成26年建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰を受賞した
上林工業(株) 上林節郎氏
専門家育成し信頼獲得



 「リフォームの専門家を育成すれば、業界に対する世間の信頼を得られる」。長年、増改築相談員の育成に励み、住宅リフォーム分野の発展に貢献してきた。
 国土交通省所管の(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが登録する増改築相談員は、住宅建築の実務経験が10年以上あり、センターが定める研修・考査を修了した者に与えられる。主に戸建て住宅の増改築や修繕などの設計、施工について相談ができ、現在県内ではおよそ230人が登録されている。
 相談員の育成は「悪徳業者などを背景に、いかがわしいと言われた業界のイメージを払拭したかったため」。営業に行く先々で目にした不法販売お断り≠フ張り紙に「すべてがそのような生業ではない」と、指導員の資格を取得した。
 平成16年には、県住宅リフォーム協会を設立し、「相談員がいる協会」を掲げ、安全安心・信頼の業界の構築に尽力する。「新築時から変化した家族構成や暮らし方に対応するリフォームは奥深い。だからこそ技術や営業で幅広い知識と提案ができる専門家が必要だ」と、相談員の存在を広く周知した。
 建築業を目指したのは、セメント瓦製造業を営んでいた父の影響という。幼い頃からものづくりに興味を持ち、神奈川大学建築工学科に進学。大手建設会社で業務経験を積んだ後、家業に入社して業態を建築業中心にシフトした。
 仕事に対する周囲の評価は「自分の事より他人の幸せを考える人」。熊本広域大水害の時は、自社の業務を中断し、阿蘇地区の仮設住宅建設に奔走。副理事長を務める県優良住宅協会の会員と共に、1カ月足らずで被災者に住宅を届けた。「世のため、人のためを信条としている。今後も出来る限り人の役に立ちたい」。昭和22年生まれの67歳。合志市在住。
2014.8.14掲載

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