平成26年春の褒章で黄綬褒章を受章した
(有)米村塗装代表取締役 米村利男氏

若手育成で業界に恩返し


 櫛などを使い、実物に近い木目調や大理石調に仕上げる装飾塗装の卓越した技能が認められ現代の名工≠受賞したのが平成24年11月。余韻も冷めやらぬ中、快挙が重なり満面に喜色をたたえる。「大変名誉なこと。私を支えてくれた一人ひとりの方々に深く感謝したい」。
熊本県塗装防水仕上業協同組合など所属する団体では、理事や幹事の要職を長年務め、業界の発展や社会的地位の向上に貢献してきた。現在は組合のブランド化≠フ確立に力を注ぐ。「一般の人々にも組合の存在を知ってもらい、会員に仕事を頼めば絶対に大丈夫だと言われたい」。実現するには、会員相互が連携を強化し、なお一層技術力を高める必要があると説く。
 若手技術者の育成や技能の伝承にも余念がない。平成13年から塗装職種の技能検定委員長を、21年からは熊本県建設仕上職業訓練校の講師も務める。特に訓練校では、週1回のペースで朝から夕方まで若手と向き合い、自身も勉強する日々が続く。「塗装や防水の材料は次々と新製品が出てくる。実際に自分で使ったり、調べてからでないと人には教えられない」。
今回の褒章を「業界のために、もう一頑張りしなさい」という応援メッセージとしても受け止めている。「私の持っている技術や知識を多くの若者に伝えることで、業界への恩返しにつながれば」。新たな気持ちで決意を固める。
現代の名工を受賞した後、会社の仕事量が少し増えたそうだ。「今回も期待したい。でも、宴席では静かにしないといけなくなった」とおどけて笑う。昭和23年8月生まれの65歳。
2014.5.29掲載

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