平成25年秋の褒章で黄綬褒章を受章した
木上梅香園(株)代表取締役 木上正貢氏

人の住む場所に緑は欠かせない


 「人の住む場所に緑は欠かせない。都市の緑化は、生活に潤いと安心感を与え、健康増進にも有効だ」。その想いを胸に、日本造園建設業協会九州総支部長、九州緑化協議会会長、熊本県造園建設業協会会長など、みどりに関する様々な団体の長として業界を引っ張る。
 会社は明治元年に創業した県内造園屋の老舗。今から31年前、41歳の時に5代目社長に就いた。「個人宅の造園工事から公共の緑化へと移行していた頃。会社としても少しずつ公共工事のウエートを増やしていった」と当時を振り返る。
 熊本市地下駐車場屋上の辛島公園をはじめ、県民総合運動公園、テクノリサーチパーク、阿蘇くま牧場、海の中道海浜公園など多くの造園工事を手掛けており、なかでも平成元年、米国に造った日本庭園が思い出深いという。
 熊本市が米国サンアントニオ市との姉妹都市締結を記念して現地に日本庭園を贈ることとなり、当時会長を務めていた熊本市造園建設業協会に依頼があった。事前調査で3度渡米するなど綿密に打ち合わせし、水前寺庭園を手本に江戸前期の伝統的作庭の手法・技術を採り入れ、完成させた。「今も友好のシンボルとして市民に親しまれているそうですよ」と顔がほころぶ。
 熊本県内の高校等に造園科がなくなるなど、技術者の高齢化や若手入職者の減少は、造園の世界でも深刻化している。それでも「手に付けた技術は一生もの。作り上げたものを喜んでもらえることが、やり甲斐につながる。そのことを若い人に伝えていきたい」と鼓舞する。
2013.12.2掲載

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