平成25年建設事業関係功労国土交通大臣表彰を受賞した
(株)産紘設計代表取締役 南 孝雄氏

一番の思い出は「七城メロンドーム」


写真 「あの時の決断が、結果としてよかった」と振り返る。熊本大学で金属を学んでいたが、何もない所から自由に物をつくりだせる建築≠ノ魅力を感じ、卒業後に熊本工業大学(現崇城大学)の建築学科に編入した。「自分のわがままで選んだ道。講義は 1番前の席で受け、家庭教師も 3カ所を掛け持ちし、学費の足しにした」。
 県内の設計事務所を経て、産紘設計を設立したのが35歳の時。「幅紘=iヒロ)い知識と考えで、個性に合った建物を産≠ン出したい」との思いから名付けた。「顧客や地域に愛される建物を提供するのが、建築士に課せられた義務であり、喜びでもある」と口にする。思い出に残る作品だという菊池市の七城メロンドーム。メロンを形取った屋根がインパクトを与え、物産館として経済の活性化に貢献するなど、まさに個性的で地域に愛されている県内施設の代表格と言えるだろう。
 建築士事務所協会の副会長、建築士会の常務理事、積算協会の顧問など多くの役職も抱える。「頼まれたら断れないタイプ」と謙遜するが、業界の発展や社会的地位の向上のため尽力してきた功績は大きい。目下の課題は、平成21年に定められた新業務報酬基準(国土交通省告示第15号)の周知徹底と順守だと強く訴える。「若い技術者を育成するためにも、基準に沿った報酬が必要。給料をはじめとした環境整備を充実させないと熊本から若手がいなくなる」と危機感を募らせる。「建築設計の仕事に就けば、熊本でも十分生活できるような産業として確立させたい」。
 休日も事務所で資料づくりなどに余念がない。「きちんと揃えておかないと後で困るから」と笑う。熊本市内で奥さんと長男との3人暮らし。きょう、67歳の誕生日を迎えた。
2013.07.29掲載

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