平成22年春の叙勲で瑞宝単光章を受章した
築出板金加工所代表者 築出成雄氏
「技術者を目指す若人を応援したい」


 板金業に勤しむこと56年。八代職業訓練校の運営にも携わり、後進の指導育成と業界・地域経済の発展に力を尽くしてきた。平成19年の厚生労働大臣表彰に続く、叙勲受章という快挙に「身に余ること」と謙遜しながらも「今後も技術者を目指す若者が1人でもいれば是非応援したい」とさらなる人材発掘に余念がない。
 中学卒業後、手に職をつけたいと地元板金製作所の門を叩いた。住み込みの見習い工として5年、板金工として3年を勤め上げ、昭和37年に独立。築出板金加工所を開業した。
 当時は、衣装箱や米びつなど板金製の生活必需品が多く、日用品をはじめ住宅の屋根や壁など様々な仕事を手がけた。そんな中、確かな腕を買われ、神社の屋根鬼等の依頼もあった。
 「鬼細工は銅板を焼いて柔らかくして加工しなければならず、非常に手間暇がかかった。その頃は夜明けと同時に作業をはじめ、夜遅くまで残業していた」。懐かしげに目を細める姿に苦労の跡が見え隠れする。
 平成3年には、熊本県板金工業組合八代支部の支部長と職業訓練法人八代職業訓練運営会の理事に就任し、業界発展と技能継承に尽力。建築や塗装、建具など各種業界組合と協力し、学校を訪問するなど訓練生の確保に努めた。
 その一方で、積極的に生徒とふれあうことも大切にしてきた。「器用不器用関係なく真剣に取り組めば結果は出る。我々はその手助けをするだけ。就職先で頑張っている卒業生を見かけたときは本当に嬉しい」。
 趣味はジョギングや庭いじり。庭木の剪定は全て自分で行うという。
 昭和12年生まれ。親子4代、9人の家族と共に八代市古閑浜町に暮らす。
2010.5.24掲載

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