「建設業経営者セミナー」の講師として来熊した
NPO法人建設技術支援協会 常務理事・事務局長 米田雅子氏


 先細りしていく公共事業に危機感を持ち、 建設業から新分野進出にのろしをあげた第一人者。

県内5カ所でこのほど開催された講演会の合間をぬって、 建設業から農業への新規参入を成功させた体験者の元へ自ら足を運び、 現場の生の声を聞く。

 農業へ進出し、 南国のフルーツ 「マンゴー」 の栽培が軌道に乗り始めた植木町の(株)松岡建設工業 (松岡義久社長) を訪れ、 マンゴーをスイカやメロンに次ぐ地域の特産品として売り出すことを強く薦める。

 「きれいと美味しいが売れる要素。 ネーミングやデザインにこだわり、 ブランド化することを視野に。 県や商工会とタイアップして地域おこしの核にしていくべき」。 現場の視点に立った的確なアドバイスは聞く者を魅了する。

 自分自身のスタイルを 「第一線にいる現場の方とつながっていること」 と自負する。 新分野へチャレンジする意欲的な建設業をアピールすることで、 業界のイメージアップにも力を注いでいる。 

 今では、 全国の建設関係者と情報を交換し合ったり、 励まし合ったりする戦友もできた。 我々には建設業しかない≠ニいうことをアピールし、 中央省庁に予算要求していた時代、 業界結束の妨げとなる異業種への参入姿勢は微塵も見せてはいけなかった。

 セミナーに出向いても、 「新分野進出≠ネんか陳情の妨げになる」 と、 業界団体幹部から怒鳴られたこともあったという。

 しかし、 2年後には風向きが変わった。 そんな悠長なことは言っていられない状況になってきたからだ。

 「建設業は裾野の広い業界。 港湾工事、 林業土木、 農業土木など、 国土の全ての社会基盤に関わっている。 重機が使え、 優秀な技術者がいるこの業界の機動力は、 他の産業から必要とされている。 早くこの状況から抜け出し、 次の一歩踏み出してほしい」 と訴える。

 多忙なスケジュールの中、 新分野進出関連の本を出版するため、 取材活動も精力的に行なう。 「この仕事は、 場数を踏まないと中身がみえてこない。 長いスパンが必要で、 熟した時にできあがる。 まるでマンゴーと同じ」。

 東京都在住。 著書の『建設帰農のすすめ』 が絶賛発売中。
2005.2.28掲載

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