15年度日本建築士会連合会会長表彰を受けた
          前垣 信三氏


 「一言でいうと申し訳ない気持ちでいっぱいです。八代で士会活動をされた先輩方がたくさんいらっしゃる中で、何で私が…」と控えめに話す。

 平成12年に八代市は、総額2400万円の市営住宅四団地の外壁劣化応急処置および調査を、建築士会八代支部と初めて契約した。本来、委託契約は、法人格である(社)熊本県建築士会が受託し、それを支部に委託するという形をとるが、直接、支部が市と委託契約を結んだことは、当時の建築士会において画期的なことだった。

 「地方は小さい事務所で社員も少ないため、大きな仕事を任されても無理が生じる。だが、士会での委託となると会員みんなで協力できるため、無理な仕事も可能となる。今後、日奈久や新幹線駅周辺などのまちづくりも士会でお手伝いしたい」と要望する。

 昭和38年熊本工業高校機械科を卒業後、愛知県豊田市のトヨタ自動車に入社。その後、名城大学第二理工学部建築科の夜間コースを卒業し、48年に(有)サンシン企画建築設計室(八代市)を設立した。

 八代支部30周年記念行事で行われた“まちの将来像の提案”では、当時、空地が多く荒れ放題となっていた外港工業団地内に運動公園を、また、四ツ島を経由して天草に架かる天草架橋を企画。運動公園については、市から企画が採用され、『県南運動公園』として整備が実現した。

 「夢は天草架橋の実現。それから、歴史ある日奈久を本来の姿に戻すことが、今後、やるべきこと」と熱く語る。

 建築業界には、「適正価格で信頼のおける工事ができる環境をつくらなければいけない」と提言。設計入札もコンペやプロポへ100%移行すべきと断言する。

 趣味は、高校時代から始めた吹奏楽で、今も八代市内の中学・高校等の指導にあたっている。「指揮者は全ての楽譜(スコア)を頭に入れておく必要がある。建築家もスコアが見れないとダメ。スコアが見れるようになって初めて一人前の建築家と認められる」。

 昭和19年8月6日生まれの59歳。妻と犬2匹、猫3匹の7人(?)暮らし。  
2003.10.16掲載

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