建設事業関係功労の国交大臣表彰(建設業・総合)を受賞した
          共栄建設(株)代表取締役社長  吉永 一郎氏


 「良い形の物を造り上げきちっと納めるのが我々の仕事。天草の建設業界がそうした永年の信頼と実績を評価されたものだと受け止めている」と常に地元の将来を見据え続けているリーダーは、受賞の重みをこう語る。「協会活動が実を結んだ結果」とも。

 建設業界は、我が国の基幹産業として社会構造を支えているが、公共工事に対する社会的なイメージは決して良くない。一部では適切な施工が見込めないダンピング受注問題が浮上。きちんとした見積もりを基礎に積算し、入札価格を決定するシステムが確立しないまま、価格のみの競争を強いられていることや低価格調査制度が有効に機能していない結果とも言われている。

 「建設企業はもとより営利企業。100で設計されているものを80でとる必要はない。ルールに則って100でとるための知恵を絞ることが如何にも悪人らしく見えるのは残念」。低価格での受注を非難する一方で、建設業の制度的な問題を指摘し、誤解をうける社会的な風潮を嘆く。

 こうしたイメージから若い土木技術者が年々減ってきている現状を懸念する。「日本の土木は、機械力、技術力とも凄い。公共工事が減少する中で、生活できる魅力ある業界への再編を考えながら人材を育成していくべき」。

 天草は魚介類が豊富な上、レジャー、観光など多くの資源があり、経済・産業にとって様々なポテンシャルを秘めている。幹線道路、広域農道のなどの整備もこれらと連動。「天草の道路はまだまだ。予算がつかないことも要因だが、中央から見れば霞の彼方。中央の役人と天草が交流できる仕組みがあれば良さが判ってもらえる」と立ち後れた社会資本の整備を促す企画を提案する。

 若い頃からヨット、水上スキーなどマリンスポーツをはじめゴルフ、魚釣りと多趣味で〃明るく、楽しい社会生活〃を心がけている。企業経営では異業種への参入も視野に入れた戦略を構想中だ。梅林の栽培もその一案で「倒産したゴルフ場でもあればなー」。スケールの大きさに聞く者の心が躍る。

 本渡市に妻と2人暮らし。昭和11年生まれ。67歳。
2003.08.11掲載

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