菊池支部・建築部会が受賞平成19年8月9日新聞掲載
 企業の社会的責任(CSR)の重要性が高まるなか、建設業界の社会貢献活動も、これまでの画一的なものから、住民のニーズをふまえて活動するなど、より地域社会に密着したものへと変わりつつある。
 県内では、全国建設業協会が平成18年に定めた7月の「建設業社会貢献活動推進月間」に合わせ、(社)熊本県建設業協会(味岡正章会長)が県下一斉のボランティア活動を実施。会員企業から約1500人が参加し、建設業の機動力と動員力を十分に活かした活動を展開中だ。
 このような中、(社)熊本県建設業協会菊池支部(荒木典之支部長)と建築部会(西尾剛人部会長)の昨年度の社会貢献活動が、全建の「平成19年度社会貢献活動功労者表彰」に選ばれた。地域で真摯に社会貢献活動を行った協会・支部、会員企業に対し、災害復旧活動、環境美化活動、社会福祉活動などの各種部門別に顕彰するもので、県内での支部・部会の受賞は今回が初めて。
 受賞部門は、清掃ボランティア活動を行った菊池支部が「環境美化活動」、高齢者等宅の修繕ボランティアを行った建築部会が「社会福祉活動」。荒木支部長、西尾部会長に、それぞれの活動内容や今後の抱負などを語ってもらった。
◇社会福祉活動◇
熊本県建設業協会
◇環境美化活動◇
建築部会
西尾剛人部会長
菊池支部
荒木典之支部長

菊池支部・荒木支部長インタビュー
―受賞の感想を
 このような賞を頂けるとは思ってもみなかったので、大変驚いている。一番の功労者は、汗を流して活動に取り組んだ支部会員企業の作業員一人ひとりだ。

―菊池支部の活動内容は
 管内を菊池、菊陽、七城、大津、旭志、泗水、合志の7地区に分け、カーブミラーの清掃・点検・方向調整、側溝の土砂や雑草の除去清掃、空き缶などのゴミ拾いを行っている。車両関係では、トラックをはじめ、高所作業車や、バキュームなどを会員企業から持ち込んでもらい、作業人員は、18、19年度とも約200人が活動に協力した。
 作業個所は、各地区の自治体や警察などから事前に要望を聞いて、会員が直接現地を確認し決定している。

―活動にあたって徹底していることは
 事前の打ち合わせはもちろん、各地区の責任者に対し、作業前計画書と作業後報告書の提出を求め、活動記録の文書化に努めている。
 計画書は、各地区の作業内容と範囲・路線地図、参加人数、車両台数を明記するとともに、作業前の写真を添付するもの。一方、報告書では、作業後の写真などを提出してもらい、計画書と報告書をそれぞれ1冊にファイリングする。
 文書・写真で記録を残すことは、事前と事後で活動内容がひと目で分かるようになり、今後のボランティア活動にも大変役立つものとなる。

―ボランティア活動の普及を願っているとか
 自分たちの町は自分たちが綺麗にする=B多くの人が環境美化に対する意識を高めれば、自ずと町は綺麗になる。その模範となるのが、我々建設業界でありたい。
 協会の活動が、5年後、10年後に「建設業界は毎年頑張っているので、我々も何かやってみようか」と各種団体をはじめ、県民全体が奮起するきっかけとなるよう今後も活動を継続しなければならない。

建築部会・西尾部会長インタビュー
―受賞の感想を
 会員の本業である建築を活かした社会福祉活動が評価され嬉しい。この活動で県民の業界に対するイメージが少しずつでも良い方向に向かっていくことを期待したい。

―なぜ、高齢者宅の修繕ボランティアに着目を
 平成15年の『公共建築の日』(11月11日)制定に伴い、本業の建築技術を駆使した地域貢献活動ができないかと思い立ったのが始まり。
 庁舎や学校などの公共施設に対する支援は、すでに、大規模災害時に被災した場合、行政機関の要請に基づいて、建物復旧と2次災害防止を行う「緊急防災隊」を設置していたので、今度は民間への支援策を検討することにした。
 お年寄りは、年齢を重ねる毎に住まいに不都合を感じることが多く、また、自らが簡単な修繕や補修を行うことが困難になる。これらの悩みを少しでも解消してもらえればと、高齢者等宅の修繕ボランティア活動に至った。把握している限り、我々の活動は、全国建設業協会の会員の中では、唯一の内容になる。

―活動内容は
 準備期間は約5カ月間。まず部会内部で、修繕内容などのボランティアの方針を決定後、市町村の福祉関係窓口を通して修繕希望者を募ってもらう。要望があった個所は、会員企業が原則として一軒一軒現地を調査し、最終的に簡易な補修で対応できるかを部会で判断する。
 活動は、緊急防災隊の組織・出動態勢を利用し、県下全域を11地区に分割。1家屋に対して3、4人の大工が、スロープや手摺りの設置のほか、建具調整、段差解消などを、民生委員や市町村関係者の立ち会いのもと、実施している。
 16年から活動を開始し、昨年度までの3年間で114件を修繕した。

―今後の活動方針を
 これまで修繕宅の高齢者、お世話をされている民生委員から多くのお礼状を頂いた。活動をずっと継続してもらいたいとの声も。今後は、県内の建
築関連専門工事業団体などとも協力し、多様な修繕ができるよう活動を広げていきたい。


社会貢献活動推進月間中央行事で38協会・支部、32社を表彰
全国建設業協会が東京・経団連会館で開催
建築部会が事例発表
 全国建設業協会(全建、前田靖治会長)は7月27日、「社会貢献活動推進月間中央行事」を東京・千代田区の経団連会館で開いた。平成19年度の建設業社会貢献活動功労者表彰では、(社)熊本県建設業協会の菊池支部(荒木典之支部長)と建築部会(西尾剛人部会長)など38協会・支部と、32社の会員企業に賞状を手渡した。
 社会貢献活動の事例発表も行われ、(社)熊本県建設業協会建築部会をはじめ3協会が活動内容等を発表。建築部会が発表した高齢者宅の無償修繕工事は、全国でも唯一の活動内容と言われ、出席者は熱心に聞き入っていた。
 中央行事は、全建が各都道府県建設業協会や会員企業と連携し、地域の建設業界が実践している幅広い社会貢献活動をアピールする活動の一環として実施した。
 前田会長は「それぞれが『まち』に暮らす一員として、積極的に社会貢献活動に取り組むとともに、その姿を広く国民に認知してもらい、損なわれた信頼を回復してもらいたい」とあいさつ。その後、表彰式や事例発表、記念講演会などを行った。
 事例発表では、熊本県建設業協会建築部会の単身高齢者に対する無償修繕工事のほか、石川県の鳳輪建設業協会が震災直後の災害復旧活動について、愛媛県建設業協会女性部会が帰省客に対する交通安全茶屋活動などについて、それぞれの活動内容を発表した。
 発表に立った建築部会の西尾部会長は「会員の技術を活かし、県民の快適な住まいづくりに少しでも寄与できるよう、高齢者等の家屋補修に取り組んだ」と説明した。

[目次]