建築フォーラム〜僕らの学校〜

平成16年11月15日新聞掲載
フォーラムに学生など約200人参加
 「くまもとアートポリス2004建築フォーラム〜僕らの学校〜」が、このほど熊本大学工学部百周年記念館で開かれた。学生による小学校の建替を対象に行われた設計競技では、夢を盛り込んだ理想の学校を披露。熊本県が、優れた建築士を育成するために企画したイベントに、未来の熊本のまちをつくる建築家の卵たちが集まった。
 フォーラムには、学生や社会人約200人が来場。小学校の建替計画を想定した設計競技、作品展示、公開審査・討論が行なわれた。
講師・審査員に伊東豊雄氏
 講師・審査員には建築家でくまもとアートポリスバイスコミッショナーの伊東豊雄氏が参加。競技に先立ち、伊東氏が「大学の合同による設計競技は、アートポリスのイベントが始まって以来初めての試み。これを機に、今後、まちの中にアートポリスの建築物が浸透していくことを望む」とあいさつ。
 実行委員長の新雄太さん(熊大工学部環境システム工学科建築系3年)は「競技にあたり、我々は今年4月から準備を始め、チームで議論を重ねてきた。自分たちの考える建築を社会に向け発信し、このエネルギーを全国にも広げていこう」と設計競技への意気込みを語った。

地元4大学から8チーム参加
 設計競技に参加したのは、熊本大学、県立大学、九州東海大学、崇城大学の建築科学生から編成された8チーム(1チーム7〜8人で構成)60人。課題は、実際に改築が計画されている玉名市の豊水小学校(敷地面積10,943m2、児童数78人、教員11人)の建替計画。学生達が豊水小学校に足を運び、ワークショプ方式で児童、先生、地域の人達から意見を取り入れて創り出した作品は、どれも力作ばかり。各チーム12分間で、プレゼンテーション、質疑応答を行い、自分たちの意匠した作品をアピールした。
 公開討論では、会場全体で作品に対し活発な意見が交わされた。作品の中には従来の箱型教室ではなく多目的広場を設置するなどのフリークラスシステムを採用している案もあり、教室の機能面について議論が集中。

最優秀賞にチーム「pioneer」
 このほか、地域に開かれた学校を目指して設計をした作品について、「防犯面はどうなのか」という質問に、伊東氏は「必要以上にオープンにすれば、逆に犯罪は起こりにくくなる」と語った。会場からは「建替え期間中、仮設校舎のコストや、児童の心理面を考慮して設計をする必要があるのでは」との意見も出た。
 最優秀賞1作品、優秀賞2作品を伊東氏が会場の意見も参考に選定した。最優秀賞は「pioneer」(リーダー稲田康之さん・熊大3年らで構成)の作品が受賞。作品は、建物全体が緑の丘で包まれ、校舎内に水路を施すなど、夢が詰まった学校となった。優秀賞は、チーム名「ぎゃんぐるじむ」「F8」の2作品が選ばれた。

優秀賞:チーム「ぎゃんぐるじむ」の作品

優秀賞:チーム「F8」の作品
 伊東氏は「今回の作品には具体性があり、プランニングもしっかりしていた。子供や先生、地域の人たちの意見が生かされている。今後の設計においても、この気持ちを忘れないでいてほしい」と総評した。

最優秀賞:チーム「pioneer」の作品

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