第5回 意識の持ち方ひとつで勝ち組に                    平成17年2月28日新聞掲載

田中俊顕(たなか・としあき)氏

【略歴】平成2年国土交通省入省。7年に始まった建設CALS/ECを担当、電子入札システムの開発時期に特別会員として公共調達コンソーシアムに参加、その後CADデータの国際的な交換を行うためCAD標準コンソーシアムにも参加、また、関東地方整備局技術管理課にて当時国土交通省が実施していた実証実験等においての電子検査や電子納品を行う。平成13年に辞職後、CALS/ECエキスパートとして自治体への導入支援や各事業団体への支援を行う。
=納品レベルで優位性アピール=
-受注者への要望、意見等があれば
 元請けの方はかなり対応されてきているので、関連下請けの方々もはやく電子入札・納品ができるようになってほしい。「納品は元請けがしてくれるのだろう」と思っている人が多く、下請けの方の反応が鈍い。
 発注者が受注者に周知するように、受注者(元請け)が下請けに周知・指導し、現場全体のスキルを上げないといけないだろう。

-下請けが対応できない場合はどうなるのか
 発注者から注意され、信頼を無くすのは元請け業者。最近では、下請けを決める際に電子納品への対応能力を聞く元請けもいる。
 本来、建設業者は技術力で評価されるべきであるが、電子納品をどれだけのレベルで出来るかという事で元請けが下請けを選別し、技術力によらないところで差別化され始めている。

-工事量が減り、電子化どころではないのでは
 「現在の電子納品対象は発注金額が高い上位ランク業者だけなのでまだ関係無い」−という考えもある。
 しかし、公共事業が縮小し厳しい状況に立たされているからこそ、早めに電子納品に対応し「当社は国交省並みのレベル3で納品できます」という優位性をアピールすることも可能。逆に「今がビジネスチャンス」になるのかも知れない。

-田中氏は今年、どのようなかたちでCALS/ECに携わるのか
 12月までの年間契約で、熊本県建設業協会とアドバイザー契約を締結した。具体的に言うと、1つ目は協会として会員の質問・疑問に対しQ&Aのアドバイスをするということ。
 もう1つは、講習・人材育成に関するアドバイスをすること。これは、通常の研修では物足りないといった会員が協会主催や会社単位で講習を行う時のアドバイスや、会員企業がパソコンやソフトの機種選定をする際にアドバイスをすることなどを考えている。レベルアップのためのお手伝いをしていきたい。

-その他、発注者や協会員以外の受注者に対しては
 商工会や役所などほとんどの機関での講習実績とノウハウを持つ(株)キーネット(隅本九州支社長)を通して、講習会で情報提供を行う。商工会は設備や管工事を含め建築関係会社の会員さんが多いので建築の納品研修に力を入れていきたい。
 企業に対しては、これまで同様に、(財)熊本県建設技術センターなどいろんな機関・団体を通して、また会社に属さず技術を磨きたいという人にはポリテクセンターや職業訓練施設等を通して情報提供をしていきたい。

-建設業者にとってどのような1年に
 CALS/ECは現場代理人と経営者の双方が理解しておくことが必要で、今後は、意識の持ち方ひとつで、勝ち組と負け組が出てくるかもしれない。
 そういう意味でも17年度がまさに正念場。この1〜2年のがんばりで企業格差が確実に現れてくるでしょうね。
(おわり)

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