第4回 急進展のカギは“県の通達”                         平成17年2月24日新聞掲載

田中俊顕(たなか・としあき)氏

【略歴】平成2年国土交通省入省。7年に始まった建設CALS/ECを担当、電子入札システムの開発時期に特別会員として公共調達コンソーシアムに参加、その後CADデータの国際的な交換を行うためCAD標準コンソーシアムにも参加、また、関東地方整備局技術管理課にて当時国土交通省が実施していた実証実験等においての電子検査や電子納品を行う。平成13年に辞職後、CALS/ECエキスパートとして自治体への導入支援や各事業団体への支援を行う。
=CALS/EC全般について=
-県と熊本市に比べ、他市町村はCALS/ECへの取組みが遅れていると思えるが
 規模の小さい町村職員の講習会への参加は少ないが、熊本市や主要な町村等のいくつかの自治体では、既に技術センターでの説明会等に参加し、早めに電子納品をはじめたい意向を持っているところもある。
 正式ではないが、熊本県内の複数の自治体では、一部の工事業者に対して、対応出来るかどうか実験的に打診しているところが見受けられる。

-どうすれば動き出すのか
 県は昨年3月、アクションプログラムを策定したが、末端まで周知されているとは思えない。県の出方を窺っている状態だから動こうにも動けない。
 しかし、これも県が自治体に通達を出すことによって自治体の対応ががらりと変わり、急速に動き出す。「県はこういう計画を決めましたので、このスケジュールに沿うよう対応してください」という1枚の通達(文書)を流せば行政として各自治体は動き始める。

-市町村職員がすぐに対応できるのか
 知識は必要だが、市町村がシステムを組んで勉強することはほとんど無いので、すぐに対応できる。
 なぜかというと、「電子入札と納品は県のシステム・基準に基づいて、○年×月からはじめます」と業者に伝え、あとは発注時の特別仕様書に熊本県が策定している記述を記載すれば来年からでもすぐに対応は可能になる。

-受注者はそう簡単にはいかないと思うが
 電子入札・納品について既に勉強している会社はいいが、そうでない会社は大変だ。県発注工事に関しては、平成14年度から本格運用の20年度(業務は19年度)まで段階的にレベル設定しているが、市町村がそういう配慮をするかどうかはわからない。
 一番危険なのは自治体が先延ばしにして、遅れを取り戻すために突然、国交省なみのレベル3での納品を求めてくることが想定される。せっかく県が準備期間を想定しているのに行政の怠慢で練習期間が取れないのは業者に負担がかかることになる。

-地方展開アクションプログラムでは、平成22年度を導入完了目標に掲げているが
 17年度から取り組んだとしてもあと6年しか無い。受注者は市町村の動きを待っているのではなく、自らが取り組まないととんでもないことになる。

-熊本県の取組みに対して何か
 全国のなかで初めて電子納品が成功する自治体になる可能性が非常に高い。
 全国に誇れる政策、国もいまだ完璧に出来ていないことを自治体が出来るということは今まで無かったことで、熊本県は非常にすばらしい取組みをされていると感じる。強いて言えば、一元的な窓口を作って情報を統一化することと、市町村に通達を流して欲しいことぐらい。

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