第2回 ヘルプデスクが早急に必要                         平成17年2月17日新聞掲載

田中俊顕(たなか・としあき)氏

【略歴】平成2年国土交通省入省。7年に始まった建設CALS/ECを担当、電子入札システムの開発時期に特別会員として公共調達コンソーシアムに参加、その後CADデータの国際的な交換を行うためCAD標準コンソーシアムにも参加、また、関東地方整備局技術管理課にて当時国土交通省が実施していた実証実験等においての電子検査や電子納品を行う。平成13年に辞職後、CALS/ECエキスパートとして自治体への導入支援や各事業団体への支援を行う。
=難しいのはCADデータ=
-講習時、受注者からの質問が多いのは何か
 発注者と納品の詳細を打ち合わせる中で、役所の担当者によって要求されるものが違うのでどうしたらいいかという質問をよく受ける。本庁部局や出先振興局によっても微妙に異なるみたいだ。当然、事前協議をしたうえで納品を進めていくわけだが、納品の作業中にいろんな見解・解釈の違いが生じてきている。

-どのようにすれば解決できるのか
 受発注者間で疑問や問題が生じたときに、一元的に統一した見解を示し、周知することができるヘルプデスク等の設置が必要だ。受注者という立場上、発注担当者以外の人の意見を聞くことも難しく、手間も時間もかかり困惑してしまう。今後、電子納品の対象案件が拡大されるにつれて今後ますます増えていくので、早急な対応が望まれる。

-CALS研修受講者が理解できていると感じられる点、理解が難しい点は
 文書データと写真データは、比較的、パソコンやデジカメ等で馴染みがあるので理解が早く、PDFも比較的に理解しやすい。逆に難しいのは、CAD図面データの操作・作成。特に土木工事は図面が紙で作成されてあるものが多く、フォルダ名やレイヤ名などルールが複雑で操作・作成できるまでに時間がかかる。平成17年度は出来ればCAD操作の研修に力を入れていきたい。

-土木と建築では納品基準が違うと聞くが
 簡単に言えば、提出するCDの枚数が違う。土木は1枚だけだが、建築は「書類と図面用の納品」で1枚、「写真用の納品」で1枚の計2枚のCDを提出する必要がある。当然、操作や作成方法も違う。これまで私が土木工事編の講習を行ってきたが、「土木も建築も基準は同じだろう」と楽観的に考えている人が多い。
 土木と建築の両方を請け負う会社は、それぞれ現場監督さんが違うわけで、それぞれが理解しておく必要がある。建築設備と土木設備を行う設備工事業者も同様だ。

-先日、県建設技術センターで建築工事編を初めて実施されたが
 1月25、26日の2日間、県・市町村職員30人、建築業および建築設備業者190人の計220人に対し電子納品の基礎知識を講義した。また2月7日から16日までのうち1日(6時間)、XMLデータ作成や納品データ作成・出力など実際にパソコンを操作しての講習を行った。

-建築工事業者への今後の講習計画は
 建築工事業、建築設計業に関してはITへのスキルが比較的高いというイメージがあるのか、県の今後の研修スケジュールに建築工事編は今のところ予定されていない。土木に比べ建築は作業工程が細分化され、1つの物件に携わる建設関連業者の数が多いので、必然と電子納品をする業者も多くなる。
 各商工会からも建築工事の講習を実施してほしいという要望が上がっており、今後の課題になってくるだろう。

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