約3300件から21件選定、2社は複数受賞 平成24年8月2日〜10月22日新聞掲載
 熊本県は7月27日、平成24年度「熊本県優良工事等表彰者」を発表した。県が発注した23年度完成工事を対象に審査したもので、21件を優良工事として決定し施工業者19社と現場代理人・主任(監理)技術者31人を表彰した。
 施工者の技術力を積極的に評価し、他の模範となる特に優良な工事を施工した者を表彰することで、技術と施工意欲の更なる向上を図るとともに、当該施工者の社会的評価を高め、建設産業の振興に繋げる狙い。18年度からはじめ、23年度までに延べ118社を表彰。今回が7回目となる。


 選考の対象となったのは、県内業者(JVを除く)が施工した請負金額250万円超、工事成績評定点80点以上(工事特性、創意工夫、法令遵守等を除く各細目別評定点がすべてb評価の評定点以上)の県発注工事。ただし、施工業者が前年度と前々年度に完成した県発注工事で、評定点65点未満の工事があった場合や、監督処分・指名停止措置を受けた場合、事故報告があった場合などは除く。
 23年度までは、県内業者の単独施工による工事だけを対象としていたが、県内業者のみで構成されたJV工事も対象に加え、すべての構成員を表彰(出資比率20%未満の業者は対象外)。1施工者につき1工事に限定していた表彰件数も、複数での表彰を可能にした。
 表彰部門は「農林水産部所管」「土木部所管」「その他の知事部局所管」「企業局所管」「教育庁所管」「県警本部所管」の6部門、発注金額や発注件数等を参考に20件程度を表彰する。
 23年度に完成した請負金額250万円を超える県発注工事は約3300件。このうち、工事成績評定点80点以上が約500件あり、細目別評定点b以上など対象となる113件について内容を審査した。今回表彰者の部門ごとの内訳は、農林水産部門6件、土木部門15件の2部門21件。発注機関別では、熊本土木事務所と鹿本地域振興局が7件と最も多く、次いで宇城地域振興局と球磨地域振興局2件。
 今回、表彰された施工者のうち、9社5人は複数回目の受賞。施工業者では青木工務店が2年連続4回目で最多となり、同社の春口浩三氏は2年連続3回目の受賞となった。開成工業とハタノは3回目。2回目受賞の技術者は、青木工務店の有働正司氏、九建の村島孝明氏、ハタノの松村和憲氏、明興建設の松成健氏。今回から1施工者での複数受賞が可能となり、九建と藤工業がそれぞれ2件ずつ受賞した。
 県庁行政棟新館2階会議室で27日にあった表彰式には、施工業者の代表者と現場代理人・主任(監理)技術者が出席した。県優良工事等表彰審査会会長の船原幸信土木部長が開会あいさつ。小野泰輔副知事が表彰部門ごとの代表者・現場代理人・主任(監理)技術者に表彰状を授与し、お祝いの言葉を贈った。
 受賞者を代表して藤工業の江藤俊男社長は「今後とも、品質向上に積極的かつ誠意を持って取り組み、社会基盤整備における県民の期待に十分に応えていきます。また、今回発生した豪雨災害に対しても、協定に基づき一日も早い復旧に向けて精一杯、協力します」と御礼の言葉を述べた。



【お祝いの言葉】小野泰輔副知事
 7月12日の災害に際し、復旧作業に尽力いただき、感謝の気持ちをお伝えします。本当にありがとうございました。昨日、荒尾の海岸を見て回ったのですが、建設業協会の方でしょうか、流木を一生懸命に片付けていらっしゃった。皆様の迅速な対応があったからこそ、スムーズに復旧作業が進んでいるんだなと感じています。常に地域に目を配り支えていただきありがたく思っています。
 蒲島県政の2期目に入り、熊本の社会基盤整備をしっかりと進めていくことをマニフェストで約束させていただいています。2期目は、やはり道路ネットワークの整備です。州都を目指そうと知事が言っていますけれども、残念ながら、九州の交通の結節点、拠点としてのインフラが整っていません。
 農業の基盤整備も非常に大事な分野です。農業後継者が非常に少なくなっていますが、後継者をつくるためにはしっかりとした農業基盤が不可欠です。予算の確保に苦慮していますが、命を守る、そして、経済の発展のためにも、しっかりとしたインフラをつくるべく努力していきます。
 今回の阿蘇の災害で深刻な課題となりましたが、林地の砂防や林道をいち早く整備して、しっかりと間伐できるよう取り組む必要がありますし、河川も非常に大きなダメージを受けました。山、川、海、道路―と、県民が安全に暮らしていけるためには、何としても早く復旧作業を進めていきたいと思っていますし、そのためには、皆様の迅速なご協力、そして日頃から培った高い技術というものが必要になってきます。今後とも、熊本県の安全、経済の活性化、安心できる未来のためにご尽力をお願いします。
 経営上の課題など、県庁に相談頂き、皆さんが地域でご活躍できるような環境づくりを一緒に考えていけたらと思います。理想論ばかりではいかないところもありますが、お互いに忌憚のない意見を出して、話し合いながら、建設業で働く方々が安心できるような環境づくりに精一杯努力します。
 最後になりましたが、今日、受賞された皆様方、日頃からのご努力に心から感謝申し上げますとともに、これからのますますの技術の研鑽と、そして会社、そして皆様のご健康をお祈りして、ごあいさつとさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。
=表彰式でのあいさつより要旨=
<12年8月2日号12面>

◇農林水産部門◇
宇城管内治山事業(交付金)予防治山補正火山地域第15号工事他合併

井上進次氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
(株)ニシスイ (美里町)


――受賞の感想を
 良い結果を残そうと目標を持って臨んだ工事でした。栄誉ある賞を頂き、驚きと関係者への感謝の気持ちでいっぱいです。
――御社にとっては昨年に引き続きの受賞ですね
 少なからず影響を受けたところもありますが、今回の工事においては、若手社員の活躍、現場の安全作業に努めた作業員、地元住民の多大なご協力、監督職員の方々のご指導の結果だと思います。
――ご苦労された点は
 落石災害を防止するための法面工事でしたので、現場は急傾斜地で、浮石が多数点在していました。工事がスムーズに捗るよう作業順序を検討し、落石が起こっても被害が出ないよう仮設防護柵を設けるなどの対策を取りました。
 また、現場までの道路が狭かったため、子ども達が交通事故に巻き込まれないよう気を付けました。子どもがいる家庭に出向き工事の説明と事故への注意を促すほか、工事車両のスピード制限、飛び出し注意の標識設置などを行いました。
――評価につながった点は
 常に担当監督員と連絡を取り合い、品質、出来形、工程管理に支障がないよう努めました。工期内に安全に品質の高いものを提供できたことが、認められたのではないでしょうか。
――これまでの経歴と今後の抱負を
 業界に入って37年。これまで営業と現場が半々でしたが、現在は主に現場の工事に携わっています。今後は、若手社員の模範となり、少しでも会社の発展や地域社会に貢献できればと思っています。

【工事概要】
 ▽場所/美里町永富字南山▽概要/山腹工0・6f▽工期/23年3月25日〜9月30日。
<12年8月30日号3面>

◇土木部門◇
砂原四方寄線地域連携推進改築(和泉3号跨道橋下部工)工事

小林敏明氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者) 
(株)南州土木 (熊本市)


――各現場によって課題があると思うのですが
 コンクリートの品質管理がこの現場に与えられたテーマでした。これまでの経験上、場所打ち杭の高さや季節によってひび割れ誘発目地の場所が変わることが予想できたので、事前に温度応力解析を実施し、対応策を発注者に提案しました。補助対策としてNETIS登録のハイパーネット60やモアクリートを使用したので、ひび割れの低減を図ることもできました。
――特に認められたと思うことは
 周辺環境に配慮した施工を行ったことでしょうか。現場は静かな田園地帯でしたので、防音シートを設置し、仮設工事のH鋼杭打ち込み時には、騒音・振動計で測定しました。公害規制値内であることを確認でき、住民の方に不快感を与えなかったのではないかと。
 また地域住民の方には、施工内容や進ちょく状況などを紹介した広報誌を月一回配布していました。工事に対する理解を得られたのではないかと思っています。
――橋梁のスペシャリストだそうですね
 昭和53年の入社以来、下部工工事を主に担当し、人より多くの現場に携わっただけですよ。どの現場も思い入れはありますが、熊本駅前の春日橋が特に印象に残っています。苦労した現場でしたので、完成した時は、感慨深かったですね。
――今後の目標を
 これからは、後進の育成に努めていきたいと思っています。こういった賞は技術者にとって励みになりますので、次は若い人の受賞を願っています。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市北区和泉町▽概要/橋梁下部工・橋台2基、掘削・床堀1万4700立方b、場所打杭工φ2000(18本)、躯体コンクリート1190立方b、仮設鋼材620d▽着工/平成23年7月20日▽竣工/24年3月23日。
<12年9月10日号3面>

◇土木部門◇
春日池上線地域住宅支援総合交付金(街路その11)工事

宮ア紀一氏(現場代理人・主任技術者) 吉本清則氏(監理技術者) 
(株)岩永組 (熊本市)


――年度内開通という、限られた工期の中での作業に苦労されたのでは
吉本 池上工区約500bを同業他社4社が並んで施工するという厳しい条件のもと、着工まで3カ月ほどかかり工程を圧迫。中盤には他業種工事が次々と発注され最多で20業者にもなり、業者間の工程調整に苦慮し綱渡りの状態でした。
宮ア 工期末に雨が降り続き、再三、工程を打ち合わせました。また当現場内に他現場の工事用道路を確保する必要があったため、工程どおりに工事が進まなかったことを思い出します。
――現場で心がけられたことは
吉本 地域の住環境に配慮するため、作業開始と終業時間の厳守を最優先とし、毎日、作業中の振動と騒音を測定していました。
宮ア ご理解とご協力を得るため、区長さんや隣接団地に施工状況とお知らせのチラシを配ったほか、近接の小学校にも工事内容を説明し、学童の通学時の事故防止に努めました。
――受賞につながったと思われる点は
 弊社のISO品質方針である「発注者のニーズに誠実に応え、期待値を超える品質を目指し施工する」に則って施工した結果だと思います。具体的には、地域住環境に配慮した施工や無災害完成、各業者間の調整、工期厳守が評価されたのでしょうか
――今後の抱負をお願いします
吉本 建設業を取り巻く環境は、年々厳しさを増すばかり。生き残るためには、技術力向上に向け日々の勉強を続けていくことが重要です。今後は、若手社員の指導にも力を入れたいと思います。
宮ア 常々、弊社会長から「現場は第一線のショールーム」と言われています。地元企業では、やっぱり岩永組≠ニ言われるよう日々努力します。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市西区池上町▽概要/道路改良(施工延長220b、掘削工1万7282立方b、重力式擁壁484立方b、小型排水工1012b、下層路盤工5579平方b▽工期/平成23年7月20日〜24年3月28日。
<12年9月17日号3面>

◇土木部門◇
湯舟川社会資本整備総合交付金(火山砂防)工事

栗原達郎氏(現場代理人)、林谷次郎氏(主任技術者)
(有)岩根工業 (菊池市) 


――気泡が全くないと言って良い程、えん堤コンクリート表面が美しい仕上がりですね。
 とにかく徹底した温度管理を心がけました。気象情報等で朝昼晩の外気温を常に調べて、温度差により養生をシートのみだったり、練炭による保温だったり、時には完全に屋根で覆って直接外気に触れないようにするなど、毎回対策を変えました。型枠組を工夫したり、現場特性にあった新材料・工法も使用し、仕上がりは最高でした。熟練の技術を持った作業員の皆さんに本当に感謝します。
――苦労した点は
 仮設道計画です。現場発生土のN値(地層の硬軟を示す値)が非常に悪かったことから、25dクレーンの輪荷重に耐えられるよう現場の転石を使い置き換えました。また地山を掘削して仮設道を作った場合、崩れやすく土砂流出の原因となるため、地山の線形は変えずにえん堤の掘削土砂を計算して、盛土で仮設道を設置しています。
――今後の抱負は
栗原 竣工検査時に発注者から評価された一つに私自身が作成した「施工サイクルと創意工夫」という資料があります。施工の流れや、問題点と解決策を残した資料です。現場において条件は様々で、問題がない現場は一つもありません。技術力向上のためにも自分流ワンデーレスポンス帳≠作り続けたいです。
林谷 今回の現場もそうですが、社内で安全担当の職務を遂行しています。過去に携わった多くの現場での経験と知識を活かし、現場が安全に竣工できるよう指導するのが役目です。ヒューマンエラーの防止が究極の安全対策。「危険を見つけたらすぐ言う」を心がけて日々頑張りたいと思います。

【工事概要】
 ▽場所/菊池市旭志麓地内▽概要/透過型砂防えん堤(L50・15b、H9・8b)=掘削3082立方b、本体コンクリート1651立方b、型枠742平方b、残土処理1607立方b。管理用道路240b=掘削1752立方b、残土処理1467立方b▽工期/平成23年8月16日〜24年2月29日。
<12年9月20日号3面>

◇農林水産部門◇
北新田地区湛水防除事業第1号工事

小林敏幸氏(現場代理人)、中原史幹氏(主任〔監理〕技術者)
三洲建設(株)(宇城市) 


――苦労された点は
 排水機場の工事で、5件に分割されての発注でした。そのうち、我が社が行う下部工、他社が行うゲート製作、護岸工の3件が同時進行で、工期もほとんど同時期だったため、工程の調整が課題でした。県や他社と常に連携を取りながらの工事でした。
 近くではしじみ漁をされているので、環境対策にも気を遣いました。排水の汚濁を防止するためのルールを決めて、3カ月に1回は地元の方に確認してもらいました。関係者の理解もあって、スムーズに進めることができました。
――VE提案をされたそうですが
 現場の上に架かる電線類の移設・復旧工事も必要だったので、工期的に厳しい状況でした。そこで、河川内地盤改良の施工で、当初の「杭打設」から「原位置攪拌」への変更を提案しました。その結果、採用されることになり、工期に間に合わせることができました。農林水産部では初めての契約後VEということで、そこも評価されたのではないでしょうか。
――受賞の感想を
小林 担当監督員、会社関係者、地域住民の方々のご指導とご協力のおかげだと感謝しています。
中原 一つひとつの現場で、当たり前のことを当たり前にすることで、それ以上の成果を上げようと考えながら作業しています。今回は、地元のバックアップもあって受賞することができたと思います。
――今後の抱負を
小林 今回の受賞を糧とし、更なる技術力の向上に努め、2回目、3回目の受賞を目指したいですね。
中原 今まで以上に、精一杯作業に専念し、安全な施工を行っていきたいと思っています。

【工事概要】
 ▽場所/宇城市小川町西北小川▽概要/排水機場下部工1カ所(基礎工、吸水槽、吐出水槽、樋管工、河川護岸)▽工期/23年1月6日〜24年2月24日。
<12年9月24日号3面>

◇土木部門◇
原植木線地域自主戦略交付金(道路改築)(改良工)工事

武藤崇史氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
(株)宝建設(熊本市) 


――環境問題に取り組まれているとか
 弊社ではCO2の排出抑制を目指しており、熊本市内や山鹿市、菊池市などの飲食店を回って天ぷら油などの廃油を回収し、軽油代替燃料のBDF(バイオディーゼル燃料)に精製しています。もちろんこの工事でもダンプなどの重機に使い、現場にはBDF使用をアピールする看板を設けて公共工事のイメージアップを図りました。
――現場で心がけていることは
 地域と良好な関係を築くこと。着工前には現場近くの住民全てにチラシを持ってあいさつしたほか、工事概要や進ちょく情報を確認できるホームページを作成し、携帯電話やスマートフォンで見られるよう現場にQRコードを設置しました。このほか子ども110番の看板も設けました。
 施工時には掘削や運搬の際の振動が出ないよう丁寧に作業し、車両が国道3号に出る時にタイヤに付着した泥が落ちないよう除泥装置を出入り口に配置しました。
――地域貢献も実施されたとか
 住民からの要望で、原植木線沿いにある県所有の残地に防草コンクリートを20平方bほど打設しました。非常に喜んで頂き、こちらも嬉しかったです。このほか地元の児童フットボールクラブにユニフォームを提供しています。
――これまでの経歴と今後の抱負を
 業界に入って17年。今まで道路やほ場整備を担当してきました。今後は別工種にも挑戦してみたいですね。そしてまた受賞できるよう、より一層頑張っていきます。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市植木町岩野▽概要/道路(改良)施工延長81・4b、掘削4261立方b、U型側溝100b、下層路盤工1219平方b▽工期/23年8月30日〜24年3月21日。
<12年9月27日号3面>

◇農林水産部門◇
鹿本管内治山事業(交付金)山地災害減災対策火山第1号工事

小田将氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
藤工業(株)(山鹿市)


――受賞の感想を
 約3300件の工事の中から選ばれたことは大変光栄です。受賞を目指し、社員一丸となって、品質や安全管理、技術力の向上に努めた結果だと思っています。
――二級土木施工管理技士資格を取得した直後の担当現場だったそうですね
 小規模な道路改良などの現場を任されたことはありましたが、こんなに大きな現場は初めてでした。緊張しましたが「ここで結果を残さないと」という意気込みで臨みました。経験の差を埋めるため、自分なりに情報を集めてベストな施工方法を思案しつつ、上司や作業員と積極的に意見を交わしながら施工しました。
――施工にあたり工夫された点は
 約100bの間に谷止め工を4基設置する工事で、それぞれが近接しているため、隣り合う2基を一度に施工するのが難しい状況でした。そこで1基目と3基目、2基目と4基目―と分けて作業することで、同時施工を可能にしました。また山間部で5〜6dの転石が多く、大事故にもつながりますので、落石防護ネットや柵など安全対策にも力を入れました。
――品質管理はどのように
 現場は約400bの標高があり、雪が降る氷点下での作業も多かったので、コンクリートの温度管理が大変でした。コンクリート打設後にブルーシートで覆い、内部に練炭を設置して凍結を防止しました。このほか、流水個所に転石を敷き詰めました。泥で埋め戻すのに比べ作業時間は2倍ほどかかりましたが、侵食防止に雲泥の差があります。
――今後の目標は
 入社して8年になり、来年は一級土木施工管理技士の試験が受けられますので、合格を目指したいです。まだまだ現場で学ぶことも多いですが、自分自身に実力を付けることが、会社の信頼にもつながると思います。

【工事概要】
 ▽場所/山鹿市鹿北町椎持字星原▽概要/谷止工(コンクリート)4個918・1立方b▽工期/平成22年11月24日〜23年6月20日。
<12年10月1日号3面>

◇土木部門◇
柚ノ木谷社会資本整備総合交付金事業(急傾斜地)工事

山本信一氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
藤工業(株)(山鹿市) 


――安全対策に力を入れられたそうですね
 民家に隣接した急斜面に擁壁を設置する工事でしたので、小さな落石でも大惨事に繋がる可能性がありました。そのため、ブルーシートと落石防止ネットで法面の浸食を防止し、作業中は常に監視員と誘導員を配置しました。防護柵を施工する際は、現場と民家との間が非常に狭くて重機が入らなかったため、材料の搬入や組立など全て手作業でした。かなり手間がかかりましたが、完成後に住民から「柵もあるから安心」と喜んで頂いたことを今でも覚えています。
――山間部での工事に苦労されたのでは
 現場は福岡県との県境の標高約300bに位置し、11月から3月までの作業だったため、何度も積雪に悩まされました。雪が多いと塩化カルシウムでも溶けないし、人力で取り除くのも限度があり、作業を中断・中止することが度々ありました。その都度、工程管理の練り直しに追われ、工期内に終わらせることに腐心しました。
 この工事はコンクリート構造物がメインでしたので、気温が低い状態では強度が保てません。そこで現場に練炭を設置した後、ブルーシートで覆って温度を調節するなど品質確保に精一杯取り組みました。
――現場で心がけていることは
 どの工事でもそうですが、地域とのふれあいを大切にしています。この現場では区役に参加したり、ボランティアで道路の陥没部を生コンで補修したりしました。温かい人ばかりでしたので、施工中も快く協力して頂きました。今でも、その地域に行くと親しく声を掛けてくれます。
――次世代へのメッセージを
 下請けや協力会社、地域との信頼関係を築くことが大切です。無理をお願いした時は、次の現場で自分がお返しをすることを心がけてほしいですね。

【工事概要】
 ▽場所/山鹿市鹿北町柚ノ木谷▽概要/施工延長90・1b、擁壁工(C―3工区)L17・2b、擁壁工(D工区)L72・9b、落石防護柵工L87・1b▽工期/平成23年11月4日〜24年3月15日。
<12年10月4日号5面>

◇土木部門◇
春日池上線地域住宅支援総合交付金(舗装その6)工事

松健二氏(現場代理人) 末冨芳隆氏(主任〔監理〕技術者)
九州工建(株)(熊本市)


――どんな現場でしたか
 熊本駅と西回りバイパスを結ぶ待望のアクセス道路として供用開始の日が迫るなか、工区割りされた同じ現場に舗装、土木、照明灯、安全施設、造園など、多いときで20社ほどが混在していました。そのため、全業者が無事故と工期内完成を最大目標に掲げて取り組みました。
――施工にあたって留意したことは 
 担当したのは一番西側の区間で、西回りバイパスからの入口にあたる個所でした。うちが施工すると他社が進入できなくなるため、毎日工程調整し、通路確保にも努めなければなりません。雨天による工程の遅れも懸念され、日進量を拡大化させようとサブ施工班を待機させ、最大3班までは同時施工できる体制をとっていました。
――そのほか工夫した点などあれば
 他業種の通路確保のため、他区間の舗装業者と打ち合わせて、4車線のうちの同じ車線を4回に分けて施工しました。また、進入口に接続する西回りバイパスは通学路になっていたため、歩行者通路(交差点部分)の段差をなくし、通学時間帯に誘導員の数を増やすなどの対策をとりました。
――施工を終えての感想は
 率先して工程調整したことで、工期内に納めることができました。監督員とすべての施工業者が互いを尊重し助け合うことで完成した工事であり、感謝の一言です。他社の施工法や段取りを見る機会もあり、とても勉強になりました。
――今後の抱負をお願いします
松 舗装工事は通行規制等を伴うことが多いので、できるだけ短期間に施工し早く開放できるよう心がけたいです。
末冨 常に確認を怠らず、今後も時代にあった良い物を造っていきたいと思います。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市西区池上町▽概要/施工延長290・5b、排水性舗装(車道)2429平方b、透水性舗装(歩道)1323平方b▽工期/平成23年11月22日〜24年3月21日。
<12年10月8日号3面>

◇土木部門◇
竈門菰田山鹿線地域自主戦略交付金(道路改築)工事

松村和憲氏(主任技術者)
(株)ハタノ(山鹿市) 


――二度目の受賞になりますが
 様々な人に支えられ、大変光栄に思っています。他の受賞者と話す機会があり、情報交換できることも大変有り難いです。
――今回の現場で心がけられたことは
 地元住民の方とのコミュニケーションを第一に考えました。工事内容を知らない人が多かったので、現場に案内して、どのあたりにどういった構造物が出来るのかを説明しました。理解してもらうことが、安全かつ現場を迅速に進めていく上で大事。通行止めや切り回しなどで大変御迷惑をおかけしましたが、何の苦情も言われず協力して頂き感謝しています。
――盛土がメインの工事だったそうですが
 最も高いところでは道路を3bほど嵩上げしました。受け入れた改良土は、粘性土とシルト系の泥が多く土質があまり良くなかったので、石灰の配合比率を変えるなど、現場条件に合わせるのに大変苦労しました。搬入業者さんと細かに打ち合わせをして、屋内試験の結果を基に、現場で試験盛土を3度行い、品質確保につなげることができました。工事が始まってみないとわからないことですが、困難があった方がやりがいもありますし、勉強になりますね。
――今後の抱負を
 入社して約10年。まだ経験や知識が少ないので、ベテラン技術者の方から、より多くの技術を引き継ぎ、土木工事の難しさを学んでいきたいと思っています。
 また、資格取得が知識の向上にも繋がりますので、土木工事の資格に限らず、例えばビオトープ管理士など、時代のニーズにあわせた資格取得にもチャレンンジしていきたいです。

【工事概要】
 ▽場所/山鹿市椿井▽概要/施工延長420b、路体盛土5991立方b、路床盛土1802立方b、ブロック積工360平方b、取付道路工4カ所、排水工一式、道路(改良)▽工期/平成23年9月21日〜24年3月28日。
<12年10月11日号3面>

◇土木部門◇
砂原四方寄線地域連携推進改築(小塚地区道路改良その2)工事

松成健氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
(株)明興建設(熊本市)


――環境保全に気を遣いながらの作業だったそうですね
 施工個所はホタルが生息する自然豊かな中山間地域でしたので、河川の汚濁防止対策を行いました。一例を挙げると、降雨時には土嚢により仮排水路を設け、流末には沈殿槽を設置し濁水の沈殿を図っています。上澄み水の排水や場所打杭施工後の処理水については凝集中和剤を使用し、汚濁計やPH計により水質確認を行いました。
 現場発生土は石灰改良を施し、他工事の道路盛土材として使用するのが一般的です。当現場で用いた場合、民家と農地に悪影響を及ぼす可能性が考えられたため、テフロン処理防塵型石灰岩を使用し、粉塵の抑制に努めることができました。
――評価につながった点は
 工期内に工事を終えたことでしょうか。埋蔵文化財調査など工程の進み具合に支障を来す課題がありましたが、適時にフォローアップを実施したことでスムーズに施工を完了させることができました。
 地元の方の理解を得られたことも早期完成の要因かと。現場状況を理解してもうらうため毎月1回、広報誌を配布したり、現場周辺道路の除草作業や土砂撤去を積極的に行いました。地域の方に大変喜んで貰えたことが印象に残っています。
――ご自身2回目の受賞となりましたが
 これまで手掛けた工事同様、下請業者など多くの人の協力があっての受賞です。今後も仕事に対して「愛着」をもち、「面白さを感じる感性」を失わなず、日々研鑽していきたいと思っています。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市北区貢町▽概要/道路改良72・6b、掘削8948立方b、橋台1基、橋脚1基、場所打杭8本▽工期/平成23年3月23日〜24年1月4日。
<12年10月15日号4面>

◇農林水産部門◇
中溝地区ため池等整備事業第2号工事

坂本佳久氏(現場代理人)、前田政博氏(主任〔監理〕技術者)
開成工業(株)(熊本市)


――創意工夫面で評価されたとか
 球磨川支流都川に鋼製起伏ゲートを製作据付する工事で、クレーン車での作業時等は国道219号の全面通行止めを予定していました。しかし、交通量の多い国道を止めてしまうと交通障害や安全面に問題が生じる可能性がありますので、下部工を施工中の神崎建設(現・青木建設)さんに搬入道を利用させてもらうことを相談して、通行止めを回避しました。
 このほか工事休止期間には、下流にある弊社施工の既設スライドゲートを点検し、補修塗装にも取り組みました。手間はかかりましたが、地元の方にとても喜んで頂きました。
――苦労された点も多いのでは
 下部工工事と同時施工だったため、安全面を考慮し、同じ場所で作業が重ならないよう工程調整会議を何度も行いました。
 また、下部工の基礎工事中に現場が軟弱地盤だったことがわかり、急遽、地盤改良工事を行ったことで工期が約1カ月延びました。これに伴い、私たちも工程の練り直しに追われました。このままでは、当初予定していた5月の通水が困難な状況となったため、ユニットと油圧ホースを仮設して、取水ゲートから水を通しました。なんとか5月に通水することができ、地域の漁協や農家の方達に迷惑をかけなくて済んだことが、何よりも嬉しかったです。
――今後の抱負を
 坂本 今回、受賞できたのは、発注者や下部工業者、地域の皆さんの協力があってこそだと思っています。弊社の品質方針である「お客様に満足のいく技術と製品を提供し、豊かな社会と暮らしの安全に貢献致します」ことを念頭に、工事に取り組んでいきます。
 前田 来年の定年を前に賞を頂き、とても嬉しいです。今度は後輩が受賞できるよう、一緒に設計したり現場に行ったりして、指導していくことが私の責務だと思っています。

【工事概要】
 ▽場所/湯前町中猪▽概要/施設機械工、転倒ゲート製作据付工1基、スライドゲート製作据付工1基、付帯工一式▽工期/平成22年10月8日〜23年7月8日。
<12年10月18日号3面>

◇農林水産部所管◇
梅洞地区経営体育成基盤整備事業第3号工事

村上和明氏(現場代理人・主任〔監理〕技術者)
丸成産業(株)(熊本市) 


――着工にあたって準備されたことは
 弊社を含め3社が同時期に施工する区域だったため、いち早く工事連絡協議会を設立し、幹事会社として工事が停滞しないよう、率先して地元、発注者、施工業者間の調整に力を注ぎました。
――工夫された点は
 稲刈り後の圃場には稲株が残ります。整地工の事前準備として、表土を剥ぎ取る前に1圃区あたり2回の耕起作業を行いました。これは、土塊を適度に砕くというだけではなく、前作物の残さを土中にすき込んで土の腐熟を促進させるといった効果があるからです。土質改良することで、より良い圃場を農家の方々にお渡しできるのです。
――区域内には通学路もあったようですが
 近隣には松尾西小があり、児童の通学路になっていました。そこで、学校を通じて交通安全指導を行ったほか、資材運搬の時間帯を調整するなど安全第一に心掛けました。さらには校章をデザインした「安全帽子」を作製して全校児童に配布し、通学時の着用をお願いしました。児童や先生方から喜ばれ非常に嬉しい限りでした。この帽子が全工事関係者への注意喚起となり、地域貢献や安全意識の向上につながったと感じます。
――どんな点が評価されたと思いますか
 これら一つひとつの積み重ねでしょうか。ただ、これらの事柄を実践するにあたっては、一現場側の判断だけでは非常に難しいのが現実です。社長をはじめとする会社全体の理解があってこそ実現できたと切に思います。
――経歴と今後の抱負を教えて下さい
 業界に入って40年以上。主に農業土木を手掛けてきました。災害ゼロはもちろんですが、常に発注者や地元住民に喜んで頂ける「もの」をつくりあげることを心掛けています。今後も、求められた品質確保は当然ですが、それをよりよい「もの」にするためにはどのような行動に移すべきなのか、会社全体で思案を繰り返し、更なる向上を目指したいと思います。

【工事概要】
 ▽場所/熊本市西区松尾町▽概要/区画整理工A4・88f▽工期/平成23年11月7日〜24年3月23日。
<12年10月22日号4面>


表彰者は次のとおり(敬称略)
表彰部門 発注機関 工事名 工事場所名 施工業者 現場代理人 主任(監理)技術者
農林水産部門
(6件)
熊本農政事務所 梅洞地区経営体育成基盤整備事業第3号工事 熊本市松尾町 丸成産業(株) 村上 和明 同左
宇城地域振興局 北新田地区湛水防除事業第1号工事 宇城市小川町西北小川 三洲建設(株) 小林 敏幸 中原 史幹
球磨地域振興局 丸岡2期地区農道整備事業(一般農道)第10号工事 球磨郡山江村万江 丸昭建設(株) (非公表) 同左
中溝地区ため池等整備事業第2号工事 球磨郡湯前町中猪 開成工業(株) 坂本佳久 前田政博
宇城地域振興局 宇城管内治山事業(交付金)予防治山補正火山地域第15号工事 下益城郡美里町永富字南山 (株)ニシスイ 井上 進次 同左
鹿本地域振興局 鹿本管内治山事業(交付金)山地災害減災対策火山第1号工事 山鹿市鹿北町椎持字星原 藤工業(株) 小田将 同左
土木部門
(15件)
建築住宅局 県立美術館本館永青文庫展示室拡充改修機械設備工事 熊本市二の丸2番 (株)肥後設備 波戸内義将 同左
熊本土木事務所 春日池上線地域住宅支援総合交付金(街路その11)工事 熊本市池上町 (株)岩永組 宮ア 紀一 吉本 清則
春日池上線地域住宅支援総合交付金(舗装その5)工事 熊本市池上町 (有)むつみ建設工業 汐見 一幸 同左
春日池上線地域住宅支援総合交付金(舗装その3)工事 熊本市池上町 九機工業(株) 高橋 順一 同左
砂原四方寄線地域連携推進改築(和泉3号跨道橋下部工)工事 熊本市和泉町 (株)南州土木 小林 敏明 同左
春日池上線地域住宅支援総合交付金(舗装その6)工事 熊本市池上町 九州工建(株) 高松 健二 末富 芳隆
国道501号交通連携推進改築(千間江湖橋下部工)工事 熊本市白石町他 五領建設(株) 稲垣 繁樹 前淵 伸久
砂原四方寄線地域連携推進改築(小塚地区道路改良その2)工事 熊本市貢町 (株)明興建設 松成 健 同左
鹿本地域振興局 山鹿植木線単県橋りょう改築(櫛川橋)工事 熊本市植木町平原 (株)九建 平野 大悟 辻崎隆一
竈門菰田山鹿線地域自主戦略交付金(道路改築)工事 山鹿市椿井 (株)ハタノ 馬場 祐輔 松村 和憲
日田鹿本線活力創出基盤交付金(第2矢谷橋下部工)その2 工事 山鹿市菊鹿町矢谷 (株)青木工務店 春口 浩三 有働 正司
鐙田川社会資本整備総合交付金事業(火山砂防)工事 熊本市植木町辺田野 (株)九建 山長 亨 村島 孝明
柚ノ木谷社会資本整備総合交付金事業(急傾斜地)工事 山鹿市鹿北町柚ノ木谷 藤工業(株) 山本 信一 同左
原植木線地域自主戦略交付金(道路改築)(改良工)工事 熊本市植木町岩野 (株)宝建設 武藤 崇史  同左
菊池地域振興局 湯舟川社会資本整備総合交付金(火山砂防)工事 菊池市旭志麓 (有)岩根工業 栗原 達郎 林谷 次郎

[目次]