平成22年1月3日新聞掲載
 九州新幹線の全線開業まで残すところあと1年あまり。熊本駅東口では暫定形に向けた工事が最盛期で、新幹線側の西口もいよいよ広場の工事に入る。一帯は道路整備や区画整理など工事が錯綜し、まさに「魅力ある熊本駅周辺のまちづくり」は山場を迎えている。


■駅前広場

 県施工の東口は、新幹線開業時の暫定形整備に向け、工事が最盛期を迎えようとしている。施行面積は駅前広場7200平方b、交通広場3800平方b。南側交通広場は一部完成。目玉となる大屋根工事にも取り掛かっており、東A地区に連絡する立体横断施設は現在基礎工事と文化財調査中。さらに市電軌道の移設も進んでいる。面整備の発注はこれから。開業後も、在来線高架化、JR新駅舎建設、駅前広場(完成形、1万4200平方b)整備など、平成30年度頃まで工事が続く。
 新幹線駅に面する西口は文化財調査が完了。熊本市がこれから1年あまりをかけて整備する。施行面積5700平方b。新幹線駅舎はすでにその姿を見せ、建物内部の工事が急ピッチで進んでいる状況だ。


■再開発ビル

 熊本市が建設業務代行制度で事業者を選定し、昨年5月着工した。市情報交流施設等が入る公益・商業施設のA棟(S造地下1階地上6階建延べ1万6600平方b)、地権者のB棟(S造2階建延べ1000平方b)、超高層住宅のC棟(RC造地下1階地上35階建延べ3万1600平方b)などで構成。現在基礎工事中。完成は新幹線開業から1年遅れの平成24年春。




■幹線道路

 東口駅前から田崎橋までの熊本駅城山線約600bは、県施工で幅員36bに拡幅改良中。市電のサイドリザベーション化は、軌道を西側に移す工事がほぼ完了し、今後電気関係が本格化する。
 東口正面に進入する熊本駅帯山線は、坪井川に架かる春日橋を架替えており、東口までの道路も拡幅改良中。事業規模は延長約200b、幅員32b。
 いずれも県が担当。新幹線開業時までに整備を終える予定。


■区画整理

 新幹線駅の西側一帯で熊本市が執行中の熊本駅西土地区画整理事業は、JR在来線の連続立体交差が完了する平成28年度の完成を目指している。施行面積は約18f。エリアごとに仮換地指定、建物移転補償、造成工事、使用収益開始のサイクルで実施しており、面整備の進ちょくは21年度末で約6割となる見込み。区域内の都市計画道路春日池上線(2工区)、熊本駅西口線、田崎春日線は、新幹線開業時のアクセス道路として整備を急いでおり、すでにその骨格が見え始めている。


■ 在来線高架

 新幹線と併行して施工中のJR在来線高架化は、鹿児島本線部が北島踏切付近(池田)〜坪井川橋梁付近(田崎)の約6`、豊肥本線部が熊本駅(春日3丁目)〜坪井川橋梁付近(田崎本町)の約1`が対象。新幹線開業から6年遅れの平成28年度まで工事が続く。間もなく新幹線高架下に軌道を移す2次仮線工事に入る予定だ。


■合同庁舎

  熊本市春日2丁目の南B地区(約2・5f)に移転新築される国の出先施設。駅周辺の市街地形成に先導的な役割を果たす核施設として期待されている。
 地方分権改革における国の出先機関見直し論を受け、先行整備中のA棟(S造地下2階地上15階建延べ2万7600平方b)は内装工事が一次中断していたが、近く再開し今春完成の予定。
 B棟(S造一部SRC造地上9階地下2階建延べ2万5000平方b)は、PFI事業(BTO方式)として昨年2月に事業グループを決定したが、22年度予算概算要求に盛り込まれず見送りとなった。
 2棟で14機関約1800人の職員が勤務する施設と期待されているだけに、事業が計画どおりに進まない場合は、駅周辺の活性化に陰を落としそうだ。




今秋にも試運転開始 

■新幹線

 九州新幹線鹿児島ルートは、鉄道・運輸機構がフル規格路線として整備。平成23年春の開通を目指し、着々と博多〜新八代間の工事が進んでおり、22年秋に試運転を実施する見通しだ。
 21年12月時点での進ちょく率(事業費ベース)は、熊本県内の軌道敷設と新玉名駅が約9割、熊本駅が約7割となっている。
 熊本市富合町に建設中の熊本総合車両基地は、土木工事をほぼ終え、車体の検修場や塗装場など建築物の整備が約8割進んでいる。22年夏には同基地で新幹線車両の組み立てが始まる予定。作業は今まさに佳境を迎えている。








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