県内企業が初めて施工                             平成21年5月28日新聞掲載

■県発注工事のポステン橋上部工
 熊本県発注のポストテンション方式橋梁上部工工事で初めて、県内企業の受注による施工が進められている。20日の現場技術研修会で県内企業と発注者が見守るなか、最も施工が難しいとされるケーブルの緊張作業をクリアし、確かな技術力と施工能力を実証。県内企業への上部工発注という地産地消≠ヨの一歩を踏み出した。
 PC上部工工事のうち、現場でコンクリート打設後にPC鋼材を引っ張る(緊張する)ポストテンション方式は、コンクリート強度を左右する緊張管理に高い技術力が求められる。このため、県発注工事では、指名競争で県内企業は指名されず、一般競争でもプレストコンクリートの総合評定値の設定により、実質、県外のPC業者に限られていた。
 こうした状況から昨年6月、県の土木一式工事特A会社で熊本県橋梁上部工研究会(橋口光コ会長)を発足させ、上部工工事の県内企業への発注に向け要望・陳情活動や技術力向上に向けた研修会の実施に取り組んでおり、今回の受注に至った。現在の会員数は34社で、今年度中の入会希望が数社あるという。
 対象となったのは、熊本農政事務所が2月に発注した上松尾2期地区一般農道整備事業第5号工事。逆T式橋台・直接基礎の下部工工事と、ポストテンション方式単純中空床版橋(橋長12b、幅員5・5b)の上部工工事を、下請けを含め全て県内企業が施工している。
 技術研修会には、研究会会員企業の主任技術者や現場代理人ら20人が参加。資器材の手配、設計照査の確認、緊張管理など施工上の課題点を説明後、緊張ポンプを操作しながらケーブルの伸び量と緊張力データを記録し、所定の圧力まで昇圧したのを確認して定着させた。参加者は自社現場での作業に生かそうと、真剣な表情で見入っていた。同日午後からは熊本県の技術職員ら20人が研修会に参加し、適正な作業を行っているかを確認した。
 「PC会社の知恵や協力を一切得ずに、自分たちだけで施工できるということが実証できたのでは。今後も研修会や講習会等で技術の研鑽・向上に務め、橋梁上部工事の地元企業への発注を働きかけていきたい」と橋口会長。地域経済発展のカギを握る県内企業の取り組みが、県の各部局に認知され、市町村工事へ広がるものと期待される。


[目次]