熊本城築城400年まで残りわずか。瓦工事など急ピッチ  平成17年12月8日新聞掲載
 熊本城復元整備の目玉となる本丸御殿大広間整備が、このほど上棟式を迎え、その威容を現してきた。平成19年の築城400年まで残りわずかとなり、今後は、屋根の瓦葺きや内部の造作工事などを急ピッチで進める。6日には、(社)熊本県建設業協会建築部会(西尾剛人部会長)が現場見学会を開催。工事担当者から当時の技術手法などの説明を受け、参加した会員企業の従業員ら約70人は、職人の"匠の技"に目を引き付けられていた。
伝統的技術手法など"匠の技"見学
熊建協建築部会
 復元整備は、城域を本丸(保存・復元ゾーン)、二の丸(緑の遊園ゾーン)、三の丸(歴史・学習体験ゾーン)、古城(観光客のエントランスゾーン)、千葉城(文化交流ゾーン)の5つのゾーンに区分し、それぞれのゾーンに見合った整備を効率的に進めている。
 計画内容が広範囲で多岐にわたるため、計画を短期・中期・長期に分けて整備しており、短期的には、築城400年にあたる平成19年(2007年)をめどに本丸御殿や、西出丸の塀、戌亥櫓、元太鼓櫓、奉行丸の塀、未申櫓、南大手門―など熊本城への登城ルートの建造物を復元することとしている。
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 本丸御殿は、城郭のなかで天守閣とともに中心をなす建物で、藩主の居間、対面所、台所などの機能を備え、大広間、大台所をはじめ数寄屋、書院などの多くの部屋から構成。慶長15年(1610年)頃、加藤清正によって建設され、西南戦争直前の明治10年2月に焼失した。
 復元整備にあたっては、江戸中期などの絵図資料や、文献資料、古写真、発掘調査から綿密に計算し、入母屋造り地下1階地上3階建の御殿を忠実に再現する。使用される木材は総数1713立方bで、桧をメーンにケヤキ、松などの銘木ばかり。県内外から集結した文化財木工技能士が、継手や仕口などの伝統技法を駆使し、総延床面積2951平方bの代物を造り上げる。
 御殿を復元する上で、難易度が高いとされているのが建物基礎部分。「土台の光りつけ」と言われ、石垣や礎石に据え付ける柱を石のでこぼこに合わせ加工する作業は、伝統職人が最も苦労し、そして成せる技という。
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 現在工事が進む瓦葺きは、熊本城の特徴のひとつ。平瓦に丸瓦を重ね、その縁に漆喰を塗る仕組みで、計14万枚の瓦が着々と敷き詰められている。今後は、外壁(土壁)や内部の造作工事等も徐々に完成させ、全容が明らかとなる日を待つのみだ。
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 6日に開かれた、建築部会の現場見学会では、施工を担当する大林・前田・岩永・多々良JVの後藤知之・熊本城本丸御殿JV工事事務所長が御殿内部を案内。工事概要や、進捗状況などを説明した。




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