C『電子入札』普及に向けた施策と課題を探る平成17年1月20日新聞掲載
まずは概ね1億円以上の土木・建築から
熊本市


熊本市建設局の長松和典監理課長(左)。
写真右は長松課長と電子入札システムを担当している熊本市建設局監理課の甲斐嗣敏参事。
−熊本市電子入札の特徴は
 国土交通省や多くの自治体と共通のシステム 「電子入札コアシステム」 を採用しています。受注者が操作する画面は国交省とほとんど同じで、操作方法も簡単です。ICカードも、コアシステムを採用している国交省や他の自治体と共通のものを使用することができます。
 また、入札情報公開サービスシステムとデータ連携しているため、電子入札公告案件を容易に検索することができ、詳細な情報をインターネット上でダウンロードすることが可能です。

−導入スケジュールは
 17年度当初から、概ね1億円以上の土木と建築工事のAランクを対象に開始する予定です。件数は未定ですが、前年度の実績で判断しますと30件ほどになると予想されます。その後、状況をみまして他の業種・ランクにも拡大していく方針です。順調にいけば17年度第4・四半期には土木・建築以外の工事・コンサルにも一部導入できるのではないかと考えています。

−受注者向けの説明会や情報提供、練習環境は
 説明会は、昨年11月に計11回開催しました。市内の受注者の約7割が参加され、電子入札への関心度は高いようです。また、2月中には架空案件を使い、すでにICカードを持ってらっしゃる受注者の方の協力を得て実証実験を行うことにしています。現在、準備を進めているところですが、実験に参加したいという申し出が174社から寄せられました。実験は、いろいろなケースを想定して10件から15件程度行う予定で、その結果、不具合等があれば、きちんと調整し、4月から万全の体制で入札に臨めるようシステムの精度を高めていきたいと考えています。
 このほか、電子入札の練習環境 (チュートリアル) を、2月頃にも熊本市のホームページ上に立ち上げることを予定しています。これは、インターネット環境が整っていれば、誰でも自由に電子入札の操作を体験することができますので、受注者の皆様には是非、活用していただきたいと考えています。

−説明会に参加していない残り約3割の市内業者への周知は
 現在、指名願いの受付を行っていますが、説明会に参加していない受注者の方には説明会の資料を配付しています。また、資料は市のホームページからもダウンロードができます。17年度以降につきましても、電子入札の拡大に合わせて説明会を随時開催していく予定でいます。
 ある程度の大きな工事を施工できる上位ランクから電子入札を導入し、中小の受注者の方に大きな負担がかからないよう、段階的に電子入札の拡大を図っていきたいと考えています。

−電子入札システムの利用手続きは
 電子入札システムを利用するためには、パソコン、インターネット接続、ICカード及びカードリーダーなどの環境が整っていることが必要です。手続きとしては、@熊本市電子入札利用届の提出Aパスワードの取得 (郵送で発行) B電子入札システムの利用者登録画面でICカードを登録−という流れになります。登録が終了しましたら、ICカード登録状況報告書を提出していただきます。

−紙入札との併用はいつまで
 当分の間は、紙入札での参加を認める方針です。電子入札案件に紙入札で参加するには 「紙入札参加承願書」 の提出が必要で、電子入札システムを準備していることが条件となります。書類の提出がない場合や承認されなかった場合は電子入札案件に参加できないことになります。準備が整いましたら、熊本市電子入札システムの利用手続きを行っていただきます。効率的な入札を実施するためにも、できるだけ早い対応をお願いします。

−電子入札のトラブルについて
 受注者側のパソコンにトラブルが生じた場合などは、届出により紙入札に移行することができます。天災、停電等で電子入札が出来なくなった場合は、トラブルの度合いに応じて、入札を延期したり、紙入札へ移行することもあります。いろいろなケースを想定して、電子入札の運用基準を定めています。

−受注者への要望は
 まず、受注者の皆様へお願いしたいのは、パソコンとインターネットの環境を整備していただくことです。電子入札の情報はもちろん、入札や契約の情報は熊本市のホームページ上で公開していますので、ご利用ください。一方、ICカードの取得については、土木と建築のAランクの方は、4月からの電子入札導入に合わせて手続きしてください。現在Aランクでなくても、新しい格付でAランクになる可能性がある方も同様です。その他の業種・ランクの方については、電子入札を拡大するなかで、準備期間も考慮しまして、前もって告知しますので、市のスケジュールに合わせて準備してください。

−最後に
 電子入札イコール一般競争入札と思われている受注者の方もいらっしゃいますが、あくまでも紙入札を電子化するだけで、入札方式 (一般競争、公募型、工事希望型、指名競争等) は従来どおりです。上位から下位ランクまで熊本市の全ての受注者の方が平等に入札に参加し、発展していただきたいという思いは今後も変わりません。行政といたしましては、透明性、公正性、競争性−の3本柱を、入札業務の中できちんと守り、最終的に、発注者と受注者双方にとって 「便利になった」 といいますのが電子入札導入の目指すところであります。

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