B『電子入札』普及促進に向けた施策と課題を探る平成17年1月20日新聞掲載
他自治体も利用可能なシステム構築


熊本県の電子入札システムを担当している監理課建設業係の吉本尚文主幹(左)と、土木技術管理室の渡辺勇参事(右)
−熊本県電子入札システムの特徴は
 国土交通省をはじめ多くの都道府県で既に採用されている電子入札コアシステムを採用する。
 システムの開発は熊本市と共同で行っているが、県内市町村も利用可能な共同利用型システムを構築しており、県内の自治体が共通のシステムを使用することで、受注者の利便性が向上するものと考えている。
 さらに、ただ単に入札執行を電子化するだけでなく、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」 に基づく入札契約関連情報 (発注見通し、案件情報、入札結果、業者情報等) をインターネットを通じて広く県民や受注者に提供できるようにする。

−導入の経緯は
 国交省が策定したCALS/EC地方展開アクションプログラムでは、19年度までに都道府県と政令指定都市で順次展開していくことが目標として定められている。
 県では、14年度に 「熊本県CALS/EC推進協議会」 を設立し、16年2月に 「熊本県CALS/EC基本構想」、同年3月にアクションプログラムを策定した。その計画の中に、電子入札の導入が電子納品等とともに位置づけられているところである。

−電子入札・入札情報提供システムの開発状況は。また、今後の運用スケジュールは
 熊本市と共同でシステム開発を進めているが、県は県・市町村共同利用型システムまでを開発するため、運用開始が熊本市より若干遅くなる見込みである。導入スケジュールは、今年7月に実証実験を開始し、17年10月に一部運用を開始し (業務委託については18年度から)、20年度には全ての入札案件での運用を予定している。

−電子入札は県の全部局ではじめるのか
 知事部局、県警本部、教育庁、企業局で同一のシステムを運用することとしている。また、工事やコンサルだけでなく物品役務の調達にも対応できるシステムとして開発を進めており、今後、物品役務の調達についての電子入札の運用について検討することとしている。

−通信手段のトラブルなどへの対応は
 当然、救済する方法が必要と考えている。今後、策定する運用ガイドラインに詳細な取扱いを盛り込む予定である。

−共同利用型システムの導入について
 電子入札システムの導入には、初期投資やランニングコストなど、規模にもよるが、数千万円から数億円に上る経費が必要で、市町村で個別に対応するのは難しい。しかし、共同化すれば、市町村でも少ないコストで運営が可能となる。
 受注者側にとっても、県内各市町村と県の入札が同じ画面操作で対応でき、また、認証カードも1枚で済むなど、多くのメリットがある。

−利用者登録の時期について
 今年7月以降を目途に開始する予定。現在、具体的な日程や手続きについて検討しているところ。

−電子入札対象案件の規模・形式は
 今年10月から20年度の本格運用までの期間、段階的に拡大していくこととしているが、対象工事や開始時期については、現在検討中。
 入札方式については、現行入札方式すべてに対応可能なシステムであるため、現段階では電子入札の導入に合わせて入札方式を変更する予定はない。今後も、入札・契約適正化法の趣旨に基づき、透明性、公正性、競争性を高めていく方向で検討していく。

−紙入札との併用はいつまで
 17年度から19年度までは、電子入札に対応できない受注者に対する措置として、紙入札を認めることとしている。20年度以降は、原則として全案件を電子入札とする予定である。

−受注者向けの教育・研修カリキュラムと、スケジュールは
 今年5月以降を目途に、地域毎に認証カードの取得、利用者登録の手続き、受注者画面の操作方法等についての説明会を実施する予定。また、7月頃には、受注者画面を模擬体験できるソフトを県のホームページからダウンロードできるようにする計画である。

−受注者への要望は
 17年度から随時、受注者向けの説明会を開催する予定で、受注者の方々には、積極的に受講されるようお願いしたい。

−市町村に対する要望・支援について
 電子入札システムについては、将来的に、県・市町村が共同で運営していくことを想定しており、積極的に電子入札システムに参画していただきたい。
 その運営組織づくりについては、昨年10月、「熊本県・市町村電子自治体共同運営協議会」 に電子入札部会を設置し、検討・協議を行っているところ。市町村が導入するにあたっては、市町村向け説明会の開催やシステム導入に係る様々な支援を行って参りたい。

−熊本市を除く他市町村の電子入札導入の動きについて
  「熊本県CALS/EC基本構想」 では、平成23年度からの本格運用を目標に導入を進めていくこととしている。市町村へのアンケート結果でも、温度差はあるものの、導入に関して概ね前向きの意向が示されているところである。しかしながら、市町村合併を控えている市町村も多いことから、電子入札の導入に向けた本格的な動きは合併後に進められていくものと考えている。

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