F共同研究で生まれる新技術に活路!平成16年2月9日新聞掲載
 アジアプランニング(株)(竹中英和社長・熊本市)は、熊本大学、熊本県との共同で「人工干潟の創生」の研究に取り組んでいる。先細りする建設市場への対策というよりも、産官学との共同研究で生まれる新たな技術に活路を見いだすことを考えての進出だ。

 同社が取り組んでいる人工干潟の創生は、潮汐の干満に応じた海水を通水パイプで導入し、人工的に池(野鳥の池)を創り出すもの。そこに創生される"新たな干潟と生命活動"を追跡調査し、自然環境の創生過程を把握することを目的としている。具体的な調査項目は、底質分析、間隙水分析、水質分析、底生生物調査、植生生育実験など。平成14年から有明海(熊本港の一角)で調査に着手しており、昨年行われた土木学会では、経過報告を行っている。

 共同研究に至った理由は「環境保全技術は企業努力として整備する必要がある」と感じたため。「特にこれからのコンサルタント業は、環境の再生と保全の技術が必要になってくる」と考え、高校の同級生である熊本大学工学部環境システム工学科の滝川清教授の指導のもと、まず成果を出すことを基本に干潟改善策に取り組んだ。

 これまでの調査では、干潟形成過程の初期段階であるため、大きな変化は見られないというものの、底生生物調査では、泥質干潟にしか生息しないムツバアリアケガニを確認。このほか、魚類調査では、群れを成すボラの稚魚が、鳥類調査では、池内の水際に大小さまざまな足跡がそれぞれ見受けられた。

 「我々人間が汚してきた自然。新しい技術を確立し、再生する義務がある」と竹中社長。本来コンサルタント業務に求められる"提案し創り出す"という理想のスタイルが貫かれている。

 共同研究の成果の活用については今は未定という。しかし、今後、環境問題は事業として将来的な展望があり、産官学が共同して取り組まなければならない課題として、研究に邁進する。「成果を出すことは困難だが、むしろ、地場で仕事をやっていくには共同研究の過程で得る他団体の技術を取り入れ、建設業に応用していくことに意味がある」。

 これからの公共事業は@環境にやさしくA安全安心Bローコスト−がキーワードと話す。このうち環境面については、「総合的な環境保全が必要で、そのためにはコストを度外視した公共事業の組み立ても必要ではないか」と訴える。

 現在同社は、国が目指す循環型社会構築への取り組みも進行中だ。堆肥製造施設によるリサイクル技術を研究しており、副産物の再利用で人と環境との共生を模索している。「常に国の施策に対応し、先取りする技術を備えなければならない」。竹中社長にとって"企業は人"。技術力を持った優秀なスタッフの確保・育成に余念がない。
技術力を持った優秀なスタッフを確保・育成

「人間が汚した自然。再生する義務がある」と話す竹中社長



干潟に飛来してきた鳥



調査が行われている熊本港一角の人工干潟

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