E「海水を飲料水に」魔法の水で異分野へ平成16年2月2日新聞掲載
 (株)赤城土木(本渡市楠浦)の赤城啓一社長は、平成8年に(株)花剣環境を設立し、「天草海洋酸素水Coctura(コクトゥーラ)」の製造・販売を3年前から始めた。「9年前位から建設業に危機感を持っていた」。この新事業は、次第に軌道に乗り始め、このほど開発した新商品の"海水にがり"に現在、10万本の予約を取りつけている。

 飲料水の製造・販売を思い立ったのは子供の頃の思いから。小さい頃に天草の海で泳ぎ、間違って海水を飲んだ経験を持つ、海育ちの赤城社長。「海水を飲料水に替えられれば、天草の水不足も解消するのに」。当時、上水道の整備が遅れていた天草地域では水問題が最大の悩みで、この解消策が島民の切実な願いだった。

 「海水を飲料水に」。この思いを実現したのは海水淡水化装置との出会い。阪神淡路大震災でも断水化した病院で透析患者を救った実績があり、すぐに取りに行って天草で実験した。良質な飲料水と確信した赤城社長は、平成8年に装置を購入。平成13年には、日本初の製造ラインを構築し、清涼飲料水の製造・販売許可を取得し、新事業に乗り出した。

 工場の建設費は、銀行、テクノ財団、国金の融資で、助成金はゼロ。「建設業でどうにか食いつないでいる時に融資を持ちかけ、獲得した。今はどこも貸してくれないだろう」と商機を逃さないタイミングの良さが異分野進出への足がかりとなった。「業種転換は難しく、1〜2年で決まるものではない。建設業だってゼロからのスタートだった。ゼロになって元々」。

 この工場で作られるコクトゥーラは、一般に市販されている飲料水の溶存酸素量が1リットルあたり5〜9ミリグラムであるのに対し33ミリグラムと桁違い。高濃度オゾン処理を行うためで、飲料水として体内に摂取すると、豊富な酸素を含む水が新陳代謝を活性化し、血液をサラサラにすることが立証されている。

 さらに発ガン性物質などにより、人体へ悪影響を及ぼすといわれる硝酸性窒素が皆無。この物質は、農薬や家畜・家庭排水が地下に浸透し、地下水を汚染。その危険性と実体が明らかにされるにつれ、厚生省でも水質基準の見直しを検討している。

 「うちの商品は、今や健康飲料水、スポーツ飲料水として注目され始めた」。現在、テニスの杉澤修一プロをコーディネーターとして、売り込みを掛けており、既に食品会社やエステサロンから、PB(プライベート−ブランド)のオファーが来ているという。

 今後は、淘汰されないように建設業を維持しながら、コクトゥーラや新商品の販路拡大を目指す。「生き残るためにみんな必至。自分がやらなきゃ誰もやってはくれない」。小さい頃の思いを実現した赤城社長は、自助努力を惜しまず"魔法の水"に懸ける。
  
余力ある時に融資持ちかけ獲得

建設業を維持しながら、"魔法の水"の製造・販売に乗り出した赤城啓一社長。販路拡大に意欲を燃やす。



コクトゥラーのほか新商品が続々



海水淡水化装置を設置した工場内部。現在8人の従業員を配置し稼動している

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