Aいかに『自社ブランド化』し、売り出すかが鍵平成15年11月3日新聞掲載
 鹿本郡植木町の(株)松岡建設工業(松岡義久代表取締役)は、南国のフルーツと言われる「マンゴー」の栽培に挑んでいる。現在は、約320本の樹木を所有し、年間およそ2000万円を売上げ。本業の建設市場の先細りを考え、異業種への道を歩き始めている。

 マンゴー栽培のきっかけは、余剰職員への配慮から。同社では建設業の売上げがピーク時に比べ3割程度に減少し、松岡社長は社員の雇用を守るために始めたという。

 栽培に取り組み始めたのは平成8年。以後、鹿児島県でマンゴー生産組合部会長を務める友人のところへ年2〜3回出向き、栽培技術を吸収。鹿本郡内では多く残るという休耕地約1200坪を取得し、ハウス栽培に本格着手した。

 「マンゴーは温度管理が1番のポイント」と松岡社長。もともと南国の果物であるマンゴーは花の開花時には室温22度、実の膨らみ時には同24度と常に成長過程で温度を変化させなければならないそうだ。実際、松岡社長もこの温度管理には幾多かの失敗を経験した。

 現在は、畑一面に自動温度調整設備を設置。気候に関係なく、マンゴーに適した温度で生産することができ、マンゴーを特産物とする宮崎県産に引けをとらない糖度(20〜22度)を出すことに成功した。「生き物を相手にする仕事ですので、設備への投資は仕方ないことでしょう。しかし、よりおいしいマンゴーを生産し、マンゴーの採算性を考えたら充分にもとを取れる範囲。直に目で、耳で、手で栽培に携わってやり、常に状態を把握してあげることが大切です」。最近では、視察者が乗り込む大型バスがハウスに横づけする盛況ぶりだ。

 農業(異業種)への参入は、地元の農家との協力・共生が大切と訴える。そして、いかに自社ブランドとして売り出す努力をするかとも。「松ちゃんな建設業ばしよっとよか。農業はおどんが仕ごつ」と友人からかわれることもあるが、「地元農家との競合を避けながらもハウス栽培のノウハウを身につけなければならない」と話す。

 松岡社長のマンゴーは、現在、『熊南マンゴー』とした自社ブランド名を掲げ、1個あたり1500円程度で販売している。すでにネットでの販促活動も実践。市場では入荷待ちの状態が続くなど、ここ2〜3年で軌道に乗り始め、"松岡に続け"とばかりにマンゴー栽培に取り組む同業者も出始めている。

 将来は、マンゴー事業に責任者を配置し、常時10人程度の職員が就けるような態勢へと転換していく方針だ。「目指すは年商億単位。それが成し得て初めて企業と言える」と更なる事業拡大へ向け、確かな手応えを感じている。
地元農家と協力・共生でノウハウ学ぶ

(株)松岡建設工業 代表取締役
松岡 義久氏


梱包箱にはブランド名を明記


マンゴー事業で年商億単位。松岡社長の挑戦は続く

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