第5回-炭の力に再起をかけた-建築廃材利用で年商2億5000万円[東北カーボン]
平成15年8月21日新聞掲載
 「まじめに仕事に取り組んできた。利益だけでなく、『健康』という目標に向かってひたすら進んできた」−。

 国内最大の炭メーカーに成長した山形県の東北カーボンの村山勝四郎社長は、明るい笑顔でこう振り返ります。

 17年前に取引先の倒産に巻き込まれ会社が破綻(はたん)し、村山社長は巨額の借金を背負いました。しかし、個人破産をせず、再起をかけて新たな会社、勝村建設を立ち上げます。

 その後、平成元年にテレビで健康に良い炭のパワーを知り、「これだ!」と感動し、炭の研究を始めます。その後、建設業の傍ら廃材の処理に困っていた村山社長は、木廃材をリサイクルして高性能の炭を作ろうと思い立ちます。そして、平成5年に東北カーボンを設立しました。

 製品開発には徹底的に力を注いだそうです。日本初の反復揺動式連続炭化炉を、バイオカーボン研究所と共同開発しました。建築廃材を900度の高熱で焼き、高性能炭に生まれ変わらせることに成功しました。

 ただし、良いものが作れても、すぐに売れたわけではありません。「当初、販売には苦労した。炭といえば『備長炭』が良いというイメージがあり、建築廃材を炭にしたものなど、見向きもされなかった。そこで、炭の性能を客観的に示すために、複数の第三者機関に委託し、性能を検査してもらった」。

 数値による性能明示は功を奏し、炭は売れ始め、現在の製品は19種類まで増えました。床下調整炭、炭塗料、炭シート、建材、室内や車の脱臭用製品、土壌改良材などですが、主力は床下調整炭で、シロアリ対策に有効だそうです。

 村山社長の販売努力はこれだけではありません。健康や環境に良いさまざまな種類の炭のパワーを体験してもらうために、宿泊可能な研修センター「木炭ハウス」を建設しました。1泊1万円で10人まで泊れる炭建材のモデルハウスです。

 こうした努力が実を結び、東北カーボンは、年間売上高2億5000万円、税引き後の純利益10%の優良企業に成長しました。

 シックハウス症候群や電磁波の人体への悪影響が問題となっている今、健康指向の炭がますます注目されています。

 山形県の建設会社の再起をかけた挑戦が、日本の炭業界をリードしています。


【開発した炭化炉は900度の高温で廃材を再生】



村山 勝四郎 社長

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