第2回-守るべきは地域の生活-「私の受けたい介護」実現 [北川建設]
平成15年8月11日新聞掲載
 「お客様に喜んでいただけるサービスを提供しよう」と、滋賀県の北川建設の北川恭司社長は介護事業に乗り出しました。

 2000年に、訪問介護と訪問入浴サービスから始め、2002年にデイサービスセンター「あいむ(愛夢)」を開設し、施設介護も行っています。介護で得られたノウハウを生かし、住宅の介護リフォームも手がけています。

 北川社長は、94年に社長に就任した時から、公共事業へ依存することへの危機感を持っていました。介護を始めたのは、福祉セミナーに出席して、今後の介護の重要性と広がりを確信したことがきっかけでした。その後、「在宅介護と住宅建築は無縁であり得ない。両者を合体させた生活創造産業を目指すことは、自然な多角化につながる」と気付いたそうです。

 スタートした当時は、「建設会社がなぜ介護なの」と地元や業界から疑問の声。社内では建設業を廃業するのか、という声も聞かれました。

 しかし、社内で何度も話合いを重ね、介護から入って生活支援の在り方を検討し、そのノウハウを建築に生かすという理念が、従業員にも徐々に受け入れられていきました。また、お客様本位のサービスが、周辺に伝わり、地元の方々の理解も得られるようになったといいます。

 現在の介護事業の業績は好調です。2000年は月間100万円、2001年は同500万円、「あいむ」開設後の2002年以降は同1000万円以上で、不況の建設事業とは対照的に、右肩上がりに増えています。

 北川建設では、「私の受けたい介護」をモットーに、利用者を「お客様」と呼び、顧客サービスに徹し、従来の「やってあげる」的な福祉介護施設との差別化を図ってきました。また、介護施設はこれまで人里離れたところに立地することが多かったのですが、北川建設は、街中の便利な場所に開設し、歩いて通える施設にこだわりました。このような姿勢が、固定客の増加に結びつきました。

 「長年地元で建設業をしてきた我々が守らなければならないものは、『地域』だ。私は、『建設業』から、地域の人々の生活を支える『生活創造産業』に生まれ変わりたい。この視点で地域を見れば、いっぱいビジネスチャンスが見えてくる。介護はその一つなんだ。これからも地域密着に徹して、地元の人々に喜ばれる会社でありたい」。

 北川建設は2003年度から公共事業の指名願いを出すのを止め、この理念に沿ってさらなる一歩を踏み出しました。


【「あいむ」でのデイサービス活動】



北川 恭司 社長

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