第1回-枠にとらわれず、世界を視野に-IT画像処理へ進出[会津土建]
平成15年8月7日新聞掲載
 ナンバーワンではなく、オンリーワンを目指そう−。福島県の会津土建の菅家洋一社長は、パソコンを抱えて、日本全国をセールスに走り回ります。1年の半分以上は出張です。

 菅家社長は、ビデオ映像から連続デジタル画像を作成する子会社「エマキ」を2000年7月に立ち上げました。データ処理だけでなく、現場のビデオ撮影も行います。例えば、道路や河川、トンネル内部などの土木現場を、ヘリコプターやボート、車などでビデオ撮影し、それを基に長大な連続静止画像を作ります。運転による揺れは自動修正されます。これまで写真や図面を張り合わせることが多かった施工管理に、技術革新をもたらしました。

 営業の第一歩は、画像処理をお客様に実際に見てもらうことです。菅家社長は、土木関係の官公庁や電力会社、ゼネコンなどを回り、「少しお時間いただけますか?」と聞き、すぐにその場でプレゼンテーションを始めます。とにかく見て納得してもらうことが、後日の受注につながります。

 「ITの世界は、世界のトップでなければ誰も買ってくれない」と、イスラエルのヘブライ大学から最新技術を導入し、インド工科大学と連携をとり、日本の土木向けのシステムを自社開発しました。システムの改良も、スピードを最優先し、3カ国の技術者が協力して行っています。前を向いて走り続ける努力が実り、売り上げも、2000年2500万円、2001年5000万円、2002年1億3000万円と着実に増え、今年は2.5倍増を目指しています。

 「これまで、地方建設業は、地元にいて役所の仕事を待っていれば良かった。しかし、それを続けるわけにはいかない。これからは、『地方』とか『建設会社』という枠にとらわれることなく、世界に目を広げてビジネスを発掘することが大切だ。また、社長は人任せにせず、自ら歩き回って販路を開拓するくらいの意気込みが必要だ」と菅家社長は言います。

 営業で全国を回ると、お客様から、「何故、会津なの? 地方の建設会社が、どうしてITなの?」と驚かれます。逆にそれが励みになっているそうです。
 「ITの世界では、田舎の中小企業でも、大企業に負けない技術を開発すれば、世界で一流になれる。会津の会社だからこそ、ITなんだ」と、菅家社長は今日も走り続けます。


長大斜め景観連続画像
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菅家 洋一 社長

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