県内の動向を追うH平成15年10月2日新聞掲載
【「熊本市」地元業者の育成視野に制度改善】
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【Q3:電子入札への取組みについて】

 熊本市は@1億3000万円以上5億円未満の土木、2億9000万円以上10億円未満の建築、4000万円以上の電気・管・舗装工事、3000万円以上の造園工事を対象にした工事希望型指名競争入札A公募型指名競争入札B一般競争入札について、談合防止の観点から指名業者を事前に公表しない郵便入札を実施されている。電子入札導入後はどのように対処されるのか、また入札方式は省庁が導入している電子入札コアシステムを導入されるのか、一般競争入札に近いいわゆる横須賀方式の入札を考えられているのかお尋ねしたい。

幸山政史 熊本市長
【A3:「横須賀方式」のような制度導入は考えず】
幸山 - 本市では、昨年の十月から指名競争入札のより一層の透明性・公正性及び競争性の向上を目的として、工事希望型指名競争入札を試行し、併せて、公募型指名競争入札・一般競争入札についても、談合等不正行為の防止策としてその入札を郵便により実施している。郵便入札は昨年度に工事希望型で建築と土木各二件、今年度に条件付一般競争で建築1件、公募型で建築と電気各1件、工事希望型で土木・建築各1件の合計9件を実施した。
 今後、その郵便入札の対象範囲を拡大するとともに、平成16年度の電子入札の実証実験、平成17年度の本格実施に向け、入札方式を郵便入札から電子入札へと切り換え、平成20年を目処に、全工事について電子入札を実施したいと考えている。
 なお、電子入札の基本ソフトについては、国が進めている電子入札コアシステムを導入するかどうかについては、今回の電子入札導入に向けた基本設計委託の中で、地元建設業者が使い勝手の良いシステムを導入したいと考えている。また、それに併せて、横須賀方式のような経営事項審査の数値のみで業者を絞り込むのではなく、技術と経営に優れた地元建設業者の育成が図られるような入札制度の改善を図りながら、電子入札を実施してまいりたい。
【Q4:電子納品について】
 熊本県は14年12月から電子納品を試行。レベル0以上に設定し、19年度の完全実施までにレベルをあげて最終的に国が要求するレベル3まで引き上げる方針でいる。
 熊本市の電子納品への対応およびスケジュールをお尋ねしたい。
【A4:納品システムは国・県を参考に仕様決定】
幸山 - 現在、熊本市においては、発注者・受注者及び見積業者間で委託や工事関係の一部文書等についてフロッピーディスク・CD-R等の電子媒体によって情報交換を行っている。営繕関係の工事においては完成図面のCD-Rでの提出を義務付け、各工事のCD-Rには番号を付け管理システムにより検索ができるようにしているほか、同じく営繕関係の設計業務にあっては設計図面のフロッピーディスクまたはMOでの提出を義務付けている。
 また、発注者、受注者間でインターネットの電子メール利用によって、工事関係の一部協議等についても情報交換を行っている。
 今後は熊本県CALS/EC推進協議会電子納品作業部会での電子納品に関する決定事項について検討を行い、国土交通省及び熊本本県の電子納品運用ガイドラインも参考にしながら、納品システムソフトの仕様を決定したいと考えている。
【Q5:受注者への情報提供・啓発について】
 受注者にとって、CALS/ECへの対応は避けられない課題で、早期に取り組む必要があると言われている。また、元請けに限らず下請けも同様の要求が求められる。熊本県は建設技術センターで7月に県・市町村職員と建設業技術職員らを対象に研修会を開き、11月にも開催する予定となっている。また熊本県建設業協会は9月から各支部主催でCASS/EC研修を始めた。
 熊本市は、市職員へのCALS/ECに関する教育、ならびに受注者に対して今後どのように情報提供・啓発など、サポートを実施されるのかお尋ねしたい。
【A5:アンケート調査などで業者の意見反映へ】
幸山 - 市職員に対しては、昨年12月に日本建設情報総合センター(JACIC)から講師を招き、CALS/ECの概要、電子入札、電子納品についての研修会を実施している。
 また、本年4月には、技術系の工事施工担当課を対象にした、設計担当課会議の中で、平成15年度の工事執行計画とCALS/ECについての説明を行い、職員への周知に努めているところだ。この様に、CALS/ECの円滑な導入のためには、まず市職員がその内容を理解することが重要であると考え、今後も随時研修会を実施していきたい。
 なお、建設業者への情報提供・啓発については、現在、電子入札導入計画を策定中であるが、その中でも、電子入札導入に対するアンケート調査やヒヤリング等を行い、建設事業者が使い易いように、意見・要望等を取り入れたシステム開発に努め、また、研修・啓発等についても、きめ細かな対応で臨みたいと思っている。
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