県内の動向を追うC平成15年9月15日新聞掲載
【熊建協の教育支援研修を監修】
熊本建設業協会のCALS/EC対策研修が、6日の宇城支部を皮切りに始まった。研修を支援するCALS/ECエキスパートの田中俊顕氏による寄稿文を二回に分け掲載する。

 建設業において建設CALS/ECの言葉を耳にされた方は多いと思う。しかし、まだまだ先の話と具体的な研修や対策を講じていない企業が多いと思う。

 実際に発注する側からの要求も受けず、また対象工事を受注した経験もない企業にとっては「本当にするのか?」と疑問を感じる状態であるのかも知れない。
だが、実際に対象になる企業の数が徐々に増えて来ているのではなかろうか?
現実に国土交通省が電子入札の全面実施を展開し、電子納品も2004年までに全面実施になる。熊本県も平成14年12月から電子納品を施行事業と言うことで昨年においては1500件対象工事の中で350件の工事において何らかの形で電子納品を実施されている。
これからは、いつ建設CALS/ECの対象工事になってもおかしくない。そんな時代が来たのかも知れない。

 このような状況の中、熊本県建設業協会は協会員を対象に建設CALS/EC(熊本県版)の教育支援研修を実施する。現在、CALS/ECエキスパートとして、この研修カリキュラムの作成及び監修を行っているが、パソコンを使える方と使えない方の企業レベルの差が激しく今回は協会員全体の底上げと言う位置付けで依頼を受けた。

 電子納品とは今まで役所に紙で提出していた資料が電子データとして提出するというもの。
通常、役所側に提出する紙資料も書式や基準が決まっており各種基準にあわせて提出が義務づけられている。
工事打合せ簿や施工計画書、段階確認書、工程表などの各種書類を役所の規定に沿って作成して行くことが必要である。
「役所仕事は書類が多い。」と言われるが、これらの紙で提出していた資料も現在ではパソコンを使って作成することで時間短縮や業務効率化を図る企業も少なくないと思われる。
電子納品とは、それらの電子データで作った資料を電子データ用の基準に沿って役所に提出してもらえばいい。と言うことなのである。

昔は当たり前であった紙の写真も今ではデジカメとなり日常的になってきた。
書類のデータもワードや一太郎、エクセルなどに移り変わり、図面も昔の製図版からパソコンを使いCADで描くようになってきている。測量では、平板で見通しながら鉛筆で描いていた図面が、いまや電子平板となり更にGPSを使い座標データから図面を作成するなどの専門システムも登場している。>>>後半へ続く

CALS/ECエキスパート 田中俊顕氏

◇田中俊顕(たなか・としあき)=CALS/ECエキスパート。1990年国土交通省入省。1995年に始まった建設CALS/ECを担当、電子入札システムの開発時期に特別会員として公共調達コンソーシアムに参加、その後CADデータの国際的な交換を行うためCAD標準コンソーシアムにも参加、また、関東地方整備局技術管理課にて当時国土交通省が実施していた実証実験等においての電子検査や電子納品を行う。その後、横浜国道工事事務所に転勤し横浜ベイブリッジを担当、保土ヶ谷バイパス遮音壁設置工事において電子納品の検査・受理作業を行い技術研究発表を行う。

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