県内の動向を追うA平成15年9月8日新聞掲載
【低レベルの "今" から取り組みを】
 熊本県は昨年12月に県独自の電子納品に関する運用ガイドライン案と現場における事前協議ガイドライン案を策定し、 電子納品の試行を開始。 さらに今年3月には、 官民が連携して統合的・戦略的な公共事業の情報化を推進するため 「熊本県CALS/EC推進協議会」 (会長・今坂堅三県土木部長) を立ちあげている。

【近く基本構想案の意見募集実施】
 CALS/EC推進協議会 (以下推進協) は、 幹事会と基本構想等企画部会、 電子納品作業部会、 電子入札作業部会で構成。 これまでに作業部会と幹事会を各3回、 推進協を2回開いた。 先月21日の第2回推進協では、 CALS/ECの基本的な考え方や整備目標・範囲、 整備期間、 普及・推進体制など基本構想素案に関して意見交換した。 その中で@市町村への動向の伝達について、 時期・場所を今後詰め、 市町村会を通じ伝達するACALS/ECの利活用は、 第一段階として電子データ化を当面の目標とし、 その後に情報の活用を進めるB 「対応できないのでは」 という業界側の不安については期限までに対応できるよう、 今後受注者のレベルアップ策を考える−などの意見が出された。
 現在は素案の練り直し作業を進めている段階で、 9月中にも意見の募集を実施。 募集により出た意見を第3回推進協で集約し、 基本構想を策定する。
その後、 電子納品の今後の進め方や電子入札の導入方法などを具体的に示し、 受発注者に対して情報提供と教育・研修を行う考え。 「CALS/ECは元請けだけの話ではなく、 下請けや資材業者にも同様の対応が求められる。 今後は受発注者の普及・啓発と底上げが課題だ」 (戸塚誠司・県土木技術管理室土木審議員)。


県の電子納品試行事業のレベル設定
レベル 試行内容
0 受発注者間協議で可能なもののみ実施し、e-mail等を用いた情報交換オリジナルファイル及びPDFファイル等による納品
1 レベル0に加え、報告書等管理ファイル及び各フォルダ管理ファイルを使用
2 各電子納品要領、業務管理ファイルを使用
3 各電子納品要領に基づく電子納品(実証フィールド実験)

県の電子納品試行事業の目標レベルイメージ(工事)
項目 目標レベル
0 1 2 3
発注図面
特記仕様書 ※1
施工計画書 ※1
工事打合簿
段階確認書
工事履行報告書
写真
完成図面 ※2
各フォルダ管理ファイル
工事管理ファイル
情報交換
※1:様式自由(A4原則)
※2:A3サイズPDFファイルも可

【電子納品は14年度の4ヵ月間で23%】
 電子納品は昨年12月から試行。 今年3月末までに土木部で発注された工事・業務委託1500件のうち、 370件 (23%) が電子納品に取り組んだ。 「実施の有無は受発注者間の協議で決めるため、 必ずしも多いとは言えないが、 『工事』 に比べ 『業務委託』 での電子納品の割合が多く、 業種によって対応能力にばらつきがあるのも事実」 (緒方進一・県土木技術管理室係長)。
 試行にあたってはレベルを0から3までの4段階に設定 (表参照)。 Eメール等での情報交換、 オリジナルファイルとPDFファイル等で納品するレベル0から、 最終的に国土交通省が求めるレベル3まで引き上げる。 現在はレベル0以上で試行しているが、 今後はレベルをどこまで引き上げるかが課題となる。 「電子納品を必ず実施するのは間違いないので、 簡単なレベルの今の時期から積極的に取り組んで欲しい」 (戸塚審議員)。
【今秋めどに電子入札の基本設計発注】
 電子入札については 「土木、 農政、 林務水産の三部のシステム基本設計を今秋に発注。 電子入札・工事進行管理システムの基本計画 (設計) と実証実験計画策定を行う」 (平山高志・県土木技術管理室主幹)。 熊本市では電子化に伴う関連システム基本設計業務に着手しており、 県としても設計の中である程度の整合性を図りたいとしている。
熊本県スケジュール
レベル3      電子納品パイロット事業  
レベル2 電子納品試行事業    
レベル1 電子納品試行事業        
レベル0          
  2002
(H14年)
2003
(H15年)
2004
(H16年)
2005
(H17年)
2006
(H18年)
2007
(H19年)
2008
(H20年)

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