初級講座B IT化の費用対効果 平成15年8月18日新聞掲載

【共通ルールがデータ交換を効率・省力/CI-NET】
CALS/ECとともによく耳にする言葉にCI-NET(シーアイ・ネット)がある。建設に関係する企業間(民民間)のさまざまなやり取りを電子化し、ネットワーク回線で共有化するもの。公共事業の電子化ネットワークであるCALS/ECも、CI-NETとの互換性を確保する方針を掲げている。
 CI-NETにより、自社独自の見積り書や請求書等の帳票やデータを、共通のルールで変換し、他社とやり取りできる。他社の伝票データを、直接自社のシステムの中に組み入れることができるため、再入力の必要が無く、効率・省力化によるコスト削減とミスの防止に役立つ。
 主に自社の業務システムを構築している大手ゼネコンと資機材業者、協力会社間でのやり取りとして利用されているのが現状だが、中小中堅建設企業向けにも、VAN(付加価値通信網)による専用ネットワーク構築の必要がないCI-NET LiteS(ライツ)を開発。インターネットを利用することで、企業間の見積りや契約といった電子データの交換が低コストで可能となった。建設業振興基金内の建設産業情報化推進センターに申請して必要な手続きを行って、各ソフトメーカで販売しているCI-NETI LiteS対応ソフトを購入すれば導入できる。
【業務見直しメリットとことん生かせ/IT投資】
IT投資に際して
 今後、公共工事を受注し続けるには、電子入札や電子納品に対応するための投資は避けられない。しかし、せっかく導入したパソコンやソフトを電子入札や電子納品のためだけに利用していては、従来の業務に電子化のための作業が追加され、かえって繁雑化して非効率になってしまう。厳しい経営状況の中、電子化のメリットをとことん生かして投資に見合う効果を得ることが重要となる。
 ファックスやコピーを導入した時のことを思い出してほしい。些細な文章まで郵送や手渡ししたり、同じ内容の文章を何度も書くといった、それまでの業務内容が大きく変わったはずだ。
 IT化は、さまざまな相手とさまざまな情報を瞬時にやりとりできる。しかもその情報(文書、数値、画像など)を自分のデータとして、何度も利用できるほか、追加・修正も可能だ。膨大な情報もコンパクトに収納でき、必要な内容の検索や並び替えもあっという間。ファックスやコピーとは比較にならないくらいの可能性を有している。先進的な中小建設業者の中には、IT化による徹底した文書・業務管理でコンサルタントの助けを得ずに独自にISO9000Sを取得したり、事務所スペースを大幅に削減した例もあるほど。
 導入機器が持っている機能を把握し、それを業務にどのように活用できるのかを考えて、業務の在り方を抜本的に見直すことが不可欠だ。

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