初級講座A 習うより”慣れる”のが一番 平成15年8月14日新聞掲載

【支援ソフトを活用すれば対応は簡単/電子納品】
 電子納品は、発注者とやり取りするすべての書類や図面、写真を、原則的に電子化してCD-R(書き込み可能なCD)などに保存し、発注者に提出するもの。社内でワープロや見積もりのソフトなどを使って文書を作成したり、CADで図面を作成していればそれを活用すれば良い。ただし、発注者に提出する際には、統一的な保存形式や文書様式を守らなければならない。そのルールが国土交通省が定めている電子納品の要領案や管理基準案、CAD製図基準案(表1)だ。
 ここでは、電子納品した文書の目次の付け方や、「フォルダ」を使って関連する文書をまとめる際の構成、データの保存の在り方、線種・太さなどを提示。工事・業務の受注者はこの要領・基準に沿って電子納品を行わなければならない。各要領・基準とも非常に詳細な部分まで守るべき事項を記載しており、正直すべてを把握するのは大変。しかし、各要領などに即った納品を可能にする支援ソフトが販売されているので、これを使用すれば要領などをあまり気にせずに適正な電子納品ができる。
 注意すべきことは、チェックソフトなどを使ってウイルス対策を徹底的に行うことと、CAD図面を提出する際に発注者が求める「中間ファイル」の形式にデータを変換すること。中間ファイルは、CADソフトによって違うさまざまなデータのやり取りを可能にするための約束事に即った形式。ワープロに例えると、一太郎やWordなど違うソフトで登録したデータは、そのソフトでしか読み込めないが「テキスト(.txt)」形式に登録し直すと、違うソフトでも読み込める。この「.txt」のようなものを中間ファイルという。
 CADの中間ファイルについては、国土交通省の外郭団体である日本建設情報総合センター(JACIC)が、国際基準を踏まえた「SXF=エスエックスエフ(.p21)」を作成。これには、簡易な「.sfc」という形式もあるが、国土交通省では、「.p21」をCADデータの交換標準に決定。都道府県もこれを参考に中間ファイルを指定することが考えられるため、その形式に適切に転換できるCADソフトの購入が必須となる。
 たとえ「SXF対応」を掲げていても、100%転換できないソフトが多いのも現実。CADソフトのメーカーで組織する「オープンCADフォーマット評議会(OCF)」によるOCF検定で、SXFの対応が確認されたソフトの購入をお薦めする。ただし、OCF検定合格ソフトでも、一部対応していない部分(制限事項)があるものもあるため、OCFのホームページで、各ソフトの制限事項の有無を確認することが大切だ。

表1 電子入札対応電子認証局一覧
土木設計業務等の電子納品要領案
工事完成図書の電子納品要領案
デジタル写真管理情報基準案
CAD製図基準案 14工種で策定済 7月に20工種追加
地質調査資料整理要領案 土質断面図編など7編
測量成果電子納品要領案 基準点測量・地形測量編など2編
要領・基準の全文は国土交通省国土技術政策総合研究所のホームページに掲載
※表は土木関係 ほかに営繕や電気通信設備関係がある

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